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60話、女として終わったかと思った ページ12

いや、もう怖くて聞けない
記憶がなくなるほどの酷い泥酔状態だったんだ…きっと煉獄さんの前で吐き散らかして…煉獄さんの大切なお洋服…


──買って貰ったワンピース………ッ!!?


ハッと気付き慌てて辺りを見渡したけど、それらしき物は見当たらず……
だから私、裸なのか…
今一度、煉獄さんの方を見れば不思議そうな顔をしている
うん、まぁ…そうだよな
そんな醜態を晒したんだ…っ泣きそうだ
とりあえず、謝って許して貰えるだけ許して貰おう


「煉獄さん…本当に昨晩はすみませんでした!」
「……は?何故、君が謝るんだ?」
「いや、良いんです…っ煉獄さんには迷惑かけてしまって…っ折角買って貰った服も……っ」
「……A、君は何か勘違いしていないか?」
「…はい??」


本当は土下座したい気持ちで一杯だったが、如何せん全裸なのでそこは許してほしい
肌触りの良い薄手の毛布を抱き寄せ、頭を下げれるだけ下げた
それに困惑する声を上げたのは煉獄さんだった
何を勘違いするって?
この状況で明らかな回答は1つしかないだろうよ
どんだけ煉獄さん優しいの?
そんな気遣い逆に抉られるんですが?
煉獄さんは優しく私の両肩を掴み顔を上げさせた


「昨晩…君を無理やり泥酔させたのは俺で、そんな君を無理やり俺は抱いたんだ」
「……はい?」


何を言ってるんでい?


「寧ろ謝るのは俺の方で君が謝ることは何一つとしてない……言っている意味が分かるか?」
「……私、煉獄さんの前で醜態を晒してない?吐き散らかしてない?」
「あぁ、全く持ってその心配は不要だ!」
「よ、良かったぁあ〜〜っ!!」


胸を撫で下ろすとはこの事だろうよ
吐き散らかして女の品位すら失ったらもう私は──っと覚悟を決めていたのだが
危なかった!
安息に力が抜けた
──が、
心配事が解決した所で1つ疑問が生まれた


「待って!!?私何かへ、変なこと言いませんでしたか!?」
「……他に言うことがあるんじゃないのか?」
「…煉獄さんの雄っぱい揉んでも良いですか?」


両手で揉み揉みポーズをしながらニヤけて言えば、おでこをド突かれた
地味に痛い…っ
真面目に言ってたのに…っ!
他に言うこと…?
……ある??
眉間にシワを寄せて首をかしげれば、煉獄さんからこれまた重たいタメ息が贈られた


「俺は君を無理やり抱いたんだぞ?」
「二回も言わなくてもそれは理解してますよ」
「だったらもっとこう、怒鳴ったり泣き喚いたり…責任を取れとか言うだろう?普通……」

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作者名: | 作成日時:2021年11月5日 0時

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