398話、男ってヤツは── ページ10
「ぁ…、杏寿郎さん!「ん?」………杏寿郎…1つ聞きたいことがあるんですが……っ」
無意識に出てしまった、さん付けに着直しをしていた杏寿郎さんが大変素晴らしい笑顔で振り返るものだから背筋が伸びた
少しぐらい良いじゃないか、っとブツブツ文句を漏らせば軽く頭を撫でられた
「それでどうしたんだ?」
「ぁ、ヤクザにとって ” 姐さん ” ってどういう存在なの?」
「………唐突だな」
突拍子もなく聞くものだから驚かれるのも無理はない
んー、っと考える素振りを見せた後、ソッと人差し指と中指の二本を立てた
「存在意義に対してはそれぞれあるが……大まかに2種類だと俺は考えている
1に、組に寄り添い、組の者を鼓舞し、組を下から支え信頼し、慕う存在──」
「? 2つ目は…?」
スッ
「この人の為に尽くしたい、愛されたい、もっと信頼されたい──求め方で言えば母親的存在が近いかもしれないな」
優しい目付きでソッと頬を撫でる杏寿郎さんに息が止まった
めちゃくちゃにハードルが高いってことだけは理解できたし、やはり私には向いてないですよ石田さん…っ!と同時に思えた
「A、男ってヤツはな…女が居なければ腐っていく生き物なんだ」
「腐る…?」
「守るべき存在が居れば自然とやる気も出るし、何より心の拠り所になるんだ」
「女が……」
女の重要性を教えてくれる杏寿郎さんに、首を傾げた
杏寿郎さんの言っていることがピンとこないってのもあるんだが…
イマイチ理解していない私を見て杏寿郎さんは笑った
「なってくれるか?俺たちの拠り所に──」
「……いやいや!無理ですよ!!むりむりっ」
「ん、そう言うと思った!」
杏寿郎さんの魅力に思わず頷きかけてしまった
全力で首を振れば、ニカッと眩しい笑顔に打ち負けた
拠り所なんてそんな大それた者になる器なんて持ち合わせていない──。
「…何もそういきなりアイツら全員を相手にしなくても良いんだ、そうだな…いつものように若い連中の相手をAがしてくれないか?」
「若い連中…??」
「山本や片岡……一緒にご飯を作った連中とかだな!」
「あー」
いきなり怖い先輩さん達に、私に付き従え!(違う)
なんて言えない
そんな事は杏寿郎さんも分かっているみたいで──
山さんや片岡くんの名前が出てきた事に少しだけ胸を撫で下ろした
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます!評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい!大丈夫です!寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします! (2022年5月27日 22時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます!評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください! (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2022年5月13日 21時