３９７話、ばーかっ！ ページ9
私の横には申し訳程度に見て見ぬフリを全力でしたいブツがありまして…、
先ほどまで不覚にも着ていた割烹着 ” だった ” モノが使い物にならなくなってしまった
不可抗力で汚れてしまったからだ──
山さんにどうやって言い訳を……
いや、洗濯する！っと言って持ち帰れば……絶対に見せれない
見せたら私の尊厳と…こう、何かが崩れ去る
意地でもバレてはイケないミッションだ──！
机の上に両ひじを付き、伝説のゲンドウポーズをしては頭を抱えた
不覚にも盛り上がってしまった私にも非がある
非があるが、元を辿れば全ての元凶である人の名を私は呼んだ
「……杏寿郎のばーかっ！」
「ほぉ…そんな幼稚な暴言を吐かれるとはな」
「どんな流れであれ手加減してくれるのが大人の余裕じゃないんですかぁ？」
「先に誘ったのはどの口だ？」
そう口元を緩ませながら頬っぺたに口付けを落とす、とても楽しそうな杏寿郎さんに私の口は曲がった
杏寿郎さんの言う通り、流れで誘ってしまった私が悪いが…
少しは手加減してくれても良かったっと机に伏せながら文句を吠えた
「大分手加減したつもりなのだが……、」
「………冗談がキツいぜ！兄貴ぃ」
手加減とは？
っと思ったが笑うことしか出来なかった
一般常識を貴方の基準に当てはめてはイケない！
そう、私は深く思いました
全くもって面白い冗談を言う兄貴には困ったものだ
そんな兄貴は耳を撫でるように頬に触れ、楽しそうに目尻を細めた
「ははっ！俺は楽しみは後に取っておきたいタイプなんだ」
「──言っている意味、分かるな？」
ゴクリと唾液の飲み込む音がやけに響いた気がした
意味が分かってしまった理解力がある優秀な私は、ゆっくりと上下に顔を動かせば満足そうにニッコリと微笑む悪魔……間違えた
猛獣さんに次第に笑みが引き釣った
どうやら、本当の勝負は今夜になるそうです。
逃げたい…っ！！
ダラダラ冷や汗が背中から伝っているような気がして、諦めるように私は正座して覚悟を決めつつあった
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます！評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい！大丈夫です！寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします！ (2022年5月27日 22時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます！評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください！ (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年5月13日 21時
