396話、消し炭になる尊さ ページ8
「ところで、Aは何を手伝ったんだ?」
「筑前煮…!凄い量でねっ!旅館で働いてる気分になったよ」
両手を振っては興奮気味にワーッと杏寿郎さんに話せば楽しそうに聞いてくれるものだから此方も楽しくなった
人参を沢山剥いたとか、くだらない話をしたり──
若様の惹かれた所をみんなで言い合ったり──
「みんな凄くいい人で楽しかった!」
「…………そんなにいい笑顔で話されてしまうと妬けてしまうな」
「? なんで?…私が好きなのはきょ、杏寿郎…なの、に?」
「…むぅ、こんな愛らしい笑顔を他の奴らにも振り撒いていた事に問題がある!」
「…………わぁおっ!」
若様のとんでもねぇ発言キターーッ!!
思わずパチパチと手を叩いてしまった
口を曲げながら顔を擦り付ける杏寿郎さんのなんとも可愛らしい行動に母性が擽られる
とりあえず、本能的に頭を撫でてしまった
「Aだけが寂しかったと思わないでくれ…っ」
「うっ…うぉ、おう…待って!杏寿郎…っ一旦、落ち着こう!」
「断る」
一言で断られますた──!
可愛すぎて言語を拾うのに戸惑う私である
余りにも尊すぎてお腹いっぱいなのに、更に追い討ちを掛ける杏寿郎さんに私はもはや消し炭になっても良いとさえ思った
直ぐ復活するけど……死者蘇生ー!
「むふふっ杏寿郎、可愛い」
「あり得ないな!Aの方が何十倍も可愛いぞ!」
「どんな屁理屈ですか…っ」
まさかの何十倍まで膨れ上がってくるとは思わなかっただけに呆れた
これを言ってしまえば、不毛な終わりのない戦いが始まるから大人しくするが
杏寿郎さんの方が何百倍も可愛いッ!!!
「…………にゃんでふか?」
「物言いたげな顔をしていたからなっ!」
「…………」
その笑顔が可愛いんだよバカ野郎!!
頬っぺたを掴まれグリグリと回されたが、杏寿郎さんの笑顔の破壊力に次の言葉は不要になった
まぁ、最初はやられっぱなしだった私だが
最近では
” やり返す ”
って事を覚えましたので──
仕返しとばかりに杏寿郎さんの頬っぺたを摘まんだら、楽しそうに目を細める杏寿郎さんにキュンとした
これを、幸せを噛み締めるってヤツなのだろう
次に目が合わさった時には、どちらともなく唇が重なった
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます!評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい!大丈夫です!寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします! (2022年5月27日 22時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます!評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください! (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2022年5月13日 21時