４３１話、怖いもの知らず ページ43
「…！！こ、これは…ッ！？」
「良いのがあったのか？」
「これが見たいですっ！」
イチゴさんと福ちゃんが調べてくれたヤクザモノの映画シリーズの中でも個人的にではあるが特に気になっていた作品が偶然にも目に止まってしまった運命的な出会いにニヤけた
パッケージごと商品を取り、杏寿郎さんに手渡した瞬間の杏寿郎さんの眉間がピクリと動いたのを私は見逃さなかった
わ、分かってはいる……
だって──
「ほ、ほら？今日ってさ…一応、見学会だし？……だめ？」
「……良いんじゃないか？俺もどんな内容なのか気になるし」
セ、セーフ…ッ！
にっこり笑顔でパッケージからディスク入りのケースを取り出す杏寿郎さんに内心焦った
なんせ、私が見たいと好奇心に任せた我が儘を言った作品がヤクザモノの上に本物さんと一緒に見たいと言う──
怖いもの知らずっと罵ってくれ…っ
未だにちょっとだけドキドキしています
「ふぅ──っ」
「…少し興奮しすぎたんじゃないか？」
「喋っていれば誤魔化せれるかと…っ」
車に乗り込んだ瞬間、不定期発作が発動した
薬局を出て直ぐに薬を飲んだが最近効き目が悪い気がするのが悩みどころだったりする
この痛みは気のせい──
この痛みは気のせい───
優しく頭を撫でてくれる杏寿郎さんの思いやりに頭痛の痛みもそのまま何処かへ飛んで行って欲しいと私は願った
痛いの痛いの飛んでいけ〜〜的なヤツで……
「ﾌｯ…」
「？」
「いや…Aと一緒に居ると普段なら行くことも無いところへ行けるのが面白くってな…つい笑ってしまっただけだ」
突然そんなことを言われたら反応に困った
まず杏寿郎さんがレンタルショップに行く光景すら想像つかないし、薬局なんて無縁そうで──
言われて漸くじわじわと来る何とも言えない感情に唇を噛み締めた
しかも、嬉しそうに笑うモノだから尚更だ
「だったらこれから沢山いろんな所に連れて行ってほしい…です」
「ん？それはデートのお誘いと受け取っていいと言うことか？」
「………はぁ〜、デートですよ…デートッ！」
「はっはっはっ！」
可愛いコトを言ってくれた──。
そう、喜んだのも本当に束の間
イタズラするように茶化す杏寿郎さんに私のトキメキを返して貰いたくなったさ
くそ〜〜っ！！
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます！評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい！大丈夫です！寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします！ (2022年5月27日 22時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます！評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください！ (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年5月13日 21時
