421話、言葉に出来ない感情 ページ33
「うーん…、中々に難しいモノだな」
「難しい?」
「今でさえ、こんなに可愛らしく拗ねている君を愛しいと思ってしまう衝動を抑え込むのは難しい話だと言っている」
一体この人は何を言っているんだ?
──そう冷静で居られる私
正直に話が通じなさ過ぎて軽く引いた
本人は至って真剣?な表情で顎に手を沿えて深く悩んでいるのだから私にどうしろと?
呆れた溜め息を吐き捨て、山さんに意味のない手助けを求めて見たら納得するように頷いているモノだから頬が引き釣った
え?…これ、私が悪いの?
「Aは…そうだな、庇護欲を掻き立てるようなこう……言葉にするのが難しいなッ!」
「いや…もう、良いです」
「いや待てッ!!もう少しで良い言葉が出てきそうなんだ」
「もう良いからッ!」
どんな答えを求めても恐らく…いや、私が求めているような答えは返ってこないことだけは分かる
──変な熱が入ったのか
杏寿郎さんは謎の知恵を絞り出そうとしていたがソレには限界がきたらしく
そのまま諦めてくれれば良いものを
何だかは文殊の知恵っと言っただろうか?
此処に居るみんなを集めて会議を始めた頃には、私は諦めて残りの皿拭きに集中した
「山本アレだ! “ 尊い “ ってヤツだろう!?」
「確かにAさんの行動には尊さを感じる場面はありますが、この場合だと── “ 萌え “ …ですかね?」
「「「萌え!!」」」
「──っとはなんだ?」
………あぁ、なるほど…なるほどね
“ コレ “ のせいで杏寿郎さんが変な用語を学習しちゃうんですね
そう言えば、この件について山さんに説教するコトを忘れてたわ…うん
" 珍しく " 若様に頼られたのが嬉しいのか、得意分野なのかは知らないが
力説するように杏寿郎さんにオタク用語を説明するのを近くで聞かされる身にもなってもらいたい…ッ!
思わず皿を割りそうになるほどに手に力が籠っているのが分かるからだ
っというより、私はただ扱いを改めてほしいだけなのに
いつの間にか話が逸れている事を此処に居る連中は気づいていないのか?
私に対する感情を言葉にしなくても別に良い
寧ろそんな事に時間も労力も無駄にしないでほしい
こうなるぐらいなら小動物でも妹でも何でもいいから
これ以上、杏寿郎さんに変な知識を与えないでくれ…ッ!!
コチラ側に染まって欲しくないんだよッ!私はッ!!!!
結論──。
人間、諦めが大事だと私は再確認しました。
334人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます!評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい!大丈夫です!寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします! (2022年5月27日 22時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます!評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください! (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:棗 | 作成日時:2022年5月13日 21時