392話、お出迎え ページ4
「兄貴が戻ってきたぞ!!」
「!」
夕飯の盛り付けも一段落した時
突然の報告に少しドキッとしてしまった私を置き去りに、周りに居た下っ端くん達は急いでエプロンなどを脱ぎ捨て厨房から我先にと出て行った
圧巻の速さと言うべきか、
「兄貴のお出迎えは組の名物と言うか、仕来たりみたいなモンなんで…Aさんも良ければ行きませんか?」
「う、うん…っ」
お出迎え?に私なんかが同行して良いのか?っと不安にはなるが
普通に気になるし行きたい
私は此処に遊びに来たワケではない
勉強と言う資料収集に来たのだ!!
◆
「「「お疲れ様ですッ!!!」」」
耳を塞ぎたくなるほどの声量と地響きでも起きたんじゃないかと思ってしまうほどに鼓膜が震えた
両サイドに厳ついお兄さん達を並べ、大きな門構えを潜り抜けて歩いてくる様は実に本物だった
こういう瞬間が特に若様だなぁ〜って実感するんだよなぁ
「!」
「お、お帰りなさい!」
両手を広げてのお出迎えに我ながら恥ずかしい事だと重々承知の上だが
ちょっとした憧れでもあったからやってみたものの、微動さにしない杏寿郎さんに恥じらいから焦りに変わった
「あ、の──うぎゃっ!?」
「俺の部屋には誰も近づくなよ」
突然の浮遊感に悲鳴が上がった
気づけばいつも以上に床との距離は遠く、前を見れば明らか目線が違う
一切の躊躇いもなく軽々と杏寿郎さんの肩に担がれた事を認識するのが速いか、若様の一声に返事を返す部下の人たちの方が速いか、
「待って!!せめて普通にッ!普通にお願いしますッ!?」
「まったく…っ、とんでもないお迎えがあったものだな!」
「喜んでるのそれぇ!?マジで…ッ下ろしてくださぁああ〜っ」
前方が見えない恐怖とスタスタと人間のなせる早歩きとは思えない速度で屋敷の奥へと進んでいく若様の行動にただ悲鳴を上げることしか出来なかった
あと、角を曲がる瞬間
玄関先を僅かな望みを掛けて見てみたら、山さんたち新人ズが敬礼していたのを私は見逃しはしなかったぞ…ッ!
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます!評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい!大丈夫です!寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします! (2022年5月27日 22時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます!評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください! (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2022年5月13日 21時