４１４話、最後の切り札 ページ26
「お先に失礼します。」
「あぁ、気を付けろよ」
「はい！」
食事を済ませた順から次々に若様に挨拶を交わし、退出していく面々に首を傾げた
「何処かに行くの？」
「これから仕事に行く連中だな…仕事が無ければ自由にしていい事にしている」
仕事の内容は少し気になるけど、そこは大人しくしていよう
辺りを見渡せば疎らに空いている空席の数々──
大半が居なくなった所から片付けていく作業を私は眺めた
遅らせながら私も食べ終わってはいるが、お隣さんの暴食王様は食べていた
ちびっ子並みの食事ペースだと思いたいが、おかわりにおかわりを重ねた結果である
途中からおかわりの回数を数えるの止めた
「それじゃ、私もそろそろ山さんたちのお手伝いしてくるね」
「……別にAがすることでもないんだぞ？君は一応、客人として此処に居るんだ」
「客人だからこそお手伝いするんですぅ〜」
今の私は誰になんと言われようが手伝う気満々だ
自分の分の食器を持ち、丁度大きなお盆に大量の食器を乗せ
これから厨房へ行きますよ〜っと雰囲気が出ているお兄さんに着いていくことにした
──までは、良かった
「──それで、どうして若様も一緒に来るんですか？」
「俺も手伝う！！」
「若頭がなに言ってるんですか！」
「俺もッ！手伝うぞ！！」
聞いちゃいねぇー！
やる気満々な所申し訳ないが、このままだと新人くんたちが顔を青ざめる未来しか見えないんですよね、はい
ご丁寧に自分の分の食器も持って……
私でも分かる
組のNo.2にやらせる仕事ではないコトぐらい
後ろを勝手に着いて案内役にさせてしまっているお兄さんに至ってはチラチラ此方を見ているではないか
気持ちは分かるぞ…！
仕方がない
「若様には若様の仕事をしてほしいから… ” 二人っきり ” の時には杏寿郎に手伝ってほしいかなー？って」
どうだ！？このわざと ” 二人っきり ” を強調させた私の頑張りを！！
「うむ…！分かった」
「……(よしっ！)」
「Aの為なら俺は何でも手伝うから遠慮なく言ってくれ」
「あぃ…」
杏寿郎さんの ” 何でも ” ってワードが少し引っ掛かったのは黙っておこう
杏寿郎さんを頼る時は恐らく最後の切り札感覚なのは間違いない事だけは断言できる自信があった
ウンウンっと頷いている内に杏寿郎さんは前を行くお兄さんに追い討ちとばかりに自分の分の食器を追加させ、一言何かを言っては早々に奥へと去って行った
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます！評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい！大丈夫です！寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします！ (2022年5月27日 22時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます！評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください！ (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年5月13日 21時
