409話、どんなにバカなヤツでも ページ21
「A!すまないがおかわりを頼めるだろうか?」
「! わ、分かった!…どのぐらい食べれる?」
「Aの好きなだけ盛ってくれて構わない」
「愛情を込めさせていただきますッ!」
「それは楽しみだなっ!」
これまでの息苦しい雰囲気をぶち壊すような明るい声に身体が飛び跳ねた
他の人は普通のお茶碗に対して杏寿郎さんのは何かの手違いであってほしいと願いたくもなるほどのデカい中身のないどんぶりを受け渡され私は必死に頷いた
空気の読めない私でも流石に分かってしまった
いや、どんなにバカなヤツでも分かる
──この場から席を外せ。
そう言われなくても分かった
だけど、私は表情を曇らせた
「ぁ、でも場所がまだ分からなくて…っ」
「それなら自分が案内します」
スッと挙手して立ち上がったのは、事務所で会った面倒見の良いお兄さんに私の表情はパッと明るくなった
此処で知らない人だったら死んでた…っ!
気まず過ぎて!!
救いの手である山さんは絶対に外せないだけに、だ──
そそくさと逃げるようにお兄さんと共にその場を離れた
証明で明るく照らされた廊下のハズなのに、凄く気分は真っ暗だった
空気が重いと言うか──
チラリと隣を歩いてくれるお兄さんを見れば、視線が合い
どちらともなく笑った
その瞬間
ガッシャーーーンッ!!
大広間を出てから50mは過ぎたあたりだろうか
耳を疑いたくなる程の何かが割れる音に足が止まった
「……あ、あの…っ今のは?」
「あ〜そうですね、洗礼式みたいなモンですよ」
「洗礼…式??」
「これでアイツも晴れてウチの仲間入りです」
どこか遠い目をして明後日の方を見据えるお兄さんの表情に私の顔は強張った
今現在、大広間で何があったのか──
そんなことを想像するだけ恐ろしいとピリピリするほど肌に突き刺さった気がしたんだ
334人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます!評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい!大丈夫です!寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします! (2022年5月27日 22時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます!評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください! (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:棗 | 作成日時:2022年5月13日 21時