391話、好物には抗えない ページ3
「………ねぇ、マジでこの量が無くなるの?」
震える指先に辺りを見渡せば、頷くみんなの反応に今度は身体が震えた
料理が進むにつれて突き付けられる現実に恐怖した
料理と言うよりもはや体力勝負な気がしてきた頃に、おや?っと疑問に思ったが最後──
いや、一般家庭ではまずお目にかかる事がないほどのデカいアルミ鍋を見た時から怪しいとは思っていた
思っていたが……まさか、ここまでだとは──
「Aさん!盛り付け…お願いしても良いですか?」
「! ま、任せて!!頑張る」
頼られる私ってスゴくないですか?
両手で拳を作り、気合いを入れ直しつつ後ろを振り向いたが最後
真顔になってしまうほどの皿の量に一瞬、目眩がした
此処ってどっかの旅館だったけ?
明らか1つだけ特注サイズがある気がするんだけど……見なかったことにしよう!
うしっ!!
◆
「ちょ…Aさん何やってるんですか?」
「えへへっ、いや〜筑前煮のタケノコが好物でして…っ」
膨大な量の盛り付けをする前に自分用のお皿を片手に私はニヤけていた
コッソリ筑前煮の鍋からタケノコ厳選していた所を見事に山さんに見つかった
呆れ顔をされたけど、好物には抗えない私を許せ
「はいはい……おーい、みんな!コレAさんのだから間違えんなよー!」
「ちょ…ッ!?山さんんんッ!な、何を…ッ!//」
「こう言うのは " 報連相 " が大事だって兄貴から教わってるんですよ」
最もらしいことを言っているが、周りのみなさんからクスクスと笑われてるのが何とも居たたまれない
コレが後に
《 タケノコ事件 》
なんて呼ばれるとは
この時の私は思いもしなかったんだ──。
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棗(プロフ) - 葵さん» コメありがとうございます!評価に関しては全然気にしていないので、気に病まないで下さい!大丈夫です!寧ろいつも読んで頂きありがとうございます。此処まで辿り着くのに貴重なお時間を……まだまだ続きますが宜しくお願いします! (2022年5月27日 22時) (レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 更新されたらすぐに見てます!評価は毎回10点にしているのですが、今更新している9作品名ではスクロールしていたら間違えて変な所の評価を押してしまいました。すみません。応援しています。頑張ってください! (2022年5月27日 1時) (レス) @page17 id: 45176a09e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2022年5月13日 21時