３７５話、現在地情報 ページ35
数度、携帯画面をタップしては楽しそうに携帯の画面を見る煉獄の様子が気になった宇随はチラリと画面を見てみれば車で移動中だと思えるほどの速さで動く現在位置情報を表すピンに思わず宇随の声が上がった。
「……………お前、それ…誰のGPSなワケ？」
「Aのに決まってるだろ？」
「うわぁ…それ、ぜってー本人知らないやつだろ」
「知られたら……まぁ、怒られてしまうなっ！」
太陽にも負けない笑顔で楽しそうに煉獄は笑ったが、宇随からしてみれば引くには充分すぎるネタであった。
全くもって悪びれのない煉獄の表情に──。
例えバレて怒られたとしても、それでも構わないような素振りだった。
そんな宇随の隠すことのない表情に煉獄は不思議そうに首を傾げた。
「寧ろ盗聴してないだけマシだと思ってもらいたいぐらいだ」
「過保護ってレベルじゃねぇと思うけど…」
「万が一の保険だ！他意はないぞ」
これでも充分なほど本人からしてみれば、押さえている──。つもりなのだろうが
他人からしてみれば “ ソレ “ は異常だ。
《 保険 》
などと、定義の良いことを並べては居るが真意は他にあると宇随は察したが
それ以上のことは口にはしなかった。
「てか、まさか嬢ちゃんの方から見学したい。なんて言うとはなぁ」
「普通に驚いたがAの方から此方に関心を抱いてくれて俺としては助かったよ」
「……。なんかズルズルとお前の策略に呑まれて行く嬢ちゃんが可哀想に思えてきた」
「……………今回の件はAの意思だ！！俺はその手助けをしたに過ぎないッ！！」
「間が長げぇよ！！」
今回の件がAの意思であっても、そうで無くとも煉獄なら確実な手段を取って徐々に引きずる心中に隠された策略が見え隠れする事に宇随は肩を竦めた。
「………なぁ、煉獄」
「断る！！」
「この後、嬢ちゃんに会わせt「断固として断るッ！！！」
宇随の言葉に一切聞く耳を貸さない煉獄は前を見据え、大きな声量で「この話はこれで終いだな！！」っと言い放つが
そんなことで諦めるほど、宇随は簡単な男ではない。
それから
産屋敷邸に着くまでの間そのやり取りが続いたとか、続かなかったとか──。
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棗(プロフ) - 黒猫さん» んんッ！黒猫さんコメありがとうございます！！若様の『お嬢』呼び良いですよね！ヽ(´・`)ノ♡ 色っぽい声で言って貰いたい一心で、欲望のままに書いてみましたwいぇいっ (2022年3月29日 12時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 煉獄さんのお嬢呼びいただきました！最高です！！！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page16 id: 02ed9e584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年3月21日 8時
