３７３話、容赦なく油を注ぐ ページ33
「…ふぅ──、本当にバカだなァ…大人しくしていれば良かったものの、益々自分達の首を絞めてどうする？」
煙草の煙を一息、吐き捨て嘲笑うように兄貴は笑った
男は突然言い捨てられた言葉に戸惑いの声を上げるも、それを兄貴は気にも止めず
静かに手を上げた
それは兄貴からの合図だ──
入口付近に待機している順に素早く動く
兄貴の発言から行動…それらの全ての動きを注意深く観察し、兄貴の考えを読み取る
初めの頃は無理難題過ぎて絶対ムリだろうと思っていたが
人間の学習能力は本当に凄いと思った
もはや、読み取らざる逐えなくなる──。
そう環境がそうさせたのだから人間の学習能力はすげぇ話だ
兄貴が呼びつけたのは、事務所内の奥の部屋
此処に待機しているのはあくまでAさん向けに用意されたメンツだ
見た目が怖い先輩たちは別室待機と兄貴に言われた時の先輩たちの悲しい顔は
正直、今思い出しても少しだけ笑えた
マジで笑ったら絞められるからそこはグッと我慢したが……
「…可愛がってやれ」
「へいっ！」
颯爽と応接室に来た先輩たちの生き生きとした返事に俺から思うことは無い
──っと言うより気にする事を止めた
他人がこれからどうなるか、そんなことまで気にしていたらこの世界では生きていくのはしんどいからだ
そもそも、そんな余裕すら今の俺にはナイ
他人に流されぱなしの人生だったけど、兄貴の男らしさに惚れてこの組にいる事を決めた
そのことには後悔はしていない
「んだよ…折角来たのに嬢ちゃん居ねぇのかよ」
「…………宇随…今日は来るな、と言わなかったか？」
「お前を骨抜きにする女が来るって分かっててこの俺様が黙ってるとでも思ったか？」
正直、息が止まった──
まさかこんなに近くで “ あの “ 宇随天元さんに会えるとは…
遠目で兄貴と会っている所を見たことがあるが
まさか事務所に来ることなんて滅多に…っと言うより何故か兄貴が来させないようにしている
何故だか分からなかったが今なら分かる
めちゃくちゃかっけぇー！
存在感がやべぇー！
そして
でけぇー！
軽々とドアの上の部分に手をついて覗き込むように室内を見渡す辺り、本当にでけぇ
そして、兄貴の不機嫌にも容赦なく油を注げる辺り二人の仲が伺える
終始、その場にいる俺たちは宇随さんの登場に固まる事しか出来なかった
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棗(プロフ) - 黒猫さん» んんッ！黒猫さんコメありがとうございます！！若様の『お嬢』呼び良いですよね！ヽ(´・`)ノ♡ 色っぽい声で言って貰いたい一心で、欲望のままに書いてみましたwいぇいっ (2022年3月29日 12時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 煉獄さんのお嬢呼びいただきました！最高です！！！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page16 id: 02ed9e584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年3月21日 8時
