３５５話、知らぬ、存ぜぬ！ ページ15
【ヤクザの裏側ドキドキ見学会！】
当日────。
「お泊まりセットよーし！菓子折りオッケー！必需品！身なり…うしっ！」
現在、私は指差し確認最終チェック中である
杏寿郎さんから改めて日時と注意事項が送られてきた時には
実感と緊張で身体が強張った
死ぬことはない、死ぬことはない…ッ！
一応、念のために最後の晩餐は好物を食べておいたのはナイショだ
「おはよう、A」
「本日は宜しくお願いしますッ！！」
予定時間の５分前に家を出たのに、既に存在感ありありの黒塗り高級車に乗り込めば、足を組んだ姿が本当によくお似合いなスーツ姿の若様がいらっしゃった
敬意を込めるように私は頭を深々と下げた
本日もカッコいいお姿を見せて頂きありがとうございます！！
「A、最終確認だが──」
「は、はいっ！」
「今回は本当に特例だ…俺、もしくは山本の側を絶対に離れるな…いいな？」
「はいっ！」
「言われた事は守ること！写真を撮る場合は俺か山本に確認を取れ」
「はいッ！！」
「それから──」
「もし、余計なモノを見たとしても──？」
「知らぬ、存ぜぬッ！！」
「──よろしい、」
自分の身を守る為の絶対条件として出された内容に元気よく私は返事を返した
“ 知らぬ、存ぜぬ “ ──
本当にいい言葉だと思うよ
例え変なモノを見ても見なかったことにすれば大丈夫なのだから…
ゆっくりと車が動き始めた事に心臓が高鳴った
運転手は安心安全の山さん
「今日は山さんが私の護衛さんなんだね！よかった！」
「……頑張ります。」
「………おぅ、」
めっちゃ疲れきった表情を表に出す山さんに思わず後退りしてしまった
一体、何があった…？
ゆっくりと恐る恐る杏寿郎さんの方を見れば、高揚感のような
優しく微笑んでいるけど──
何もしてないよ、ね？
え？
心なしか、杏寿郎さんのお肌艶々になってない？気のせい？？
疑問と困惑の色を表に出せば
杏寿郎さんは、にっこりと柔らかな微笑みを浮かべたまま教えてくれた
「今回の件で改めて山本に組織について再教育しておいた…大抵の事は山本が教えてくれるぞ──もちろん、俺に聞いてくれれば何でも答えるつもりだ！」
「……あ、ありがとうございますっ！」
再教育……ねぇ、
若様の再教育とは…？
これ以上、想像したら負けな気がしてくるから怖い
哀れみと同情の眼差しを疲弊しきった山さんへエールとして私は送った
すまねぇなっ！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - 黒猫さん» んんッ！黒猫さんコメありがとうございます！！若様の『お嬢』呼び良いですよね！ヽ(´・`)ノ♡ 色っぽい声で言って貰いたい一心で、欲望のままに書いてみましたwいぇいっ (2022年3月29日 12時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 煉獄さんのお嬢呼びいただきました！最高です！！！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page16 id: 02ed9e584d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：棗 | 作成日時：2022年3月21日 8時
