３４１話、貸し切りっていくら？ ページ1
「お待ちしておりました。煉獄様──どうぞ、お好きな席へ」
白い暖簾がとても和風ぽく高級感溢れる隠れ家のようなお店の中へ入ればお客さんは誰も居なかった事に嫌な予感がした
カウンターテーブルの真ん中の椅子をソッと引いて、私の方を不思議そうな顔で見るもんだから笑顔が引きつった
「どうした？」
「……他のお客さんも来るかもしれないし…端の方に座りませんか？」
「？ 他も何も貸し切りだから気にしなくても良いぞ！ほら、早くしないと店に迷惑だろう？」
どっちが迷惑なんですかね？？
貸し切りって……いくら何だろう、
てか、なんで貸し切りなの？
私はこう、赤提灯に狭いカウンター、丸い椅子で焼き鳥の煙がダイレクトに当たるような……そんなところへ連れてくるワケがないか──この人が
自己完結！！
「飲み物はどうする？軽いお酒にしておくか？」
「いぇ…、ウーロン茶がいい」
「ﾌｯ…ではウーロン茶２つを、」
こんなことが当たり前になっていかなきゃイケないのか
…いや、慣れなきゃダメなのか
背筋をピンッと伸ばし、ジッと備えられている箸を見つめておいた
隣からめっちゃ視線を感じるんですけどね…っ
「…そう緊張していると初めて一緒にご飯を食べに行った時を思い出すよ」
「……あぁ〜〜まぁ、杏寿郎さんの規格外は変わらないですねぇ」
「それは褒め言葉なのか？」
「ご想像にお任せしますっ！」
何かと理由を付けられて嫌々、連れ出された食事会が懐かしいっとまで思ってしまった
まさかあの時はこの人とこんな関係になるとは想像もしていなかったが……
そう思うと本当に物好きな人だよなぁ
改めて思うところではある
お品書きに視線を落とす杏寿郎さんの横顔をジッと見つめては、深々と頷いた
「Aは何が好きなんだ？」
「とり…皮？……つくね、……ねぎま……何デモナイデス。」
焼き鳥が食べたい。
そう言ってしまった手前、これと言って好物は無かったりする
鶏肉が好き──っと言うより鶏肉から滲み出る油を接種したくなった
って理由で勢いで言ってみたが──
まさか此処まで高級感漂うお店に連れて来られるとは思いもしなかっただけに、自分のリクエストに自信がなくなってきた
庶民の匂いが恋しい…っ！
焼き鳥一本１００円代のヤツとか！鳥貴族とかさぁ…ッ！！
唇をキュッと尖らせ俯いてしまった
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棗(プロフ) - 黒猫さん» んんッ！黒猫さんコメありがとうございます！！若様の『お嬢』呼び良いですよね！ヽ(´・`)ノ♡ 色っぽい声で言って貰いたい一心で、欲望のままに書いてみましたwいぇいっ (2022年3月29日 12時) (
レス) id: f6f7f83bec (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 煉獄さんのお嬢呼びいただきました！最高です！！！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page16 id: 02ed9e584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2022年3月21日 8時
