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「…この紅茶スゴイ知ってる気がする」
「カザハのです」
「ああなるほど」
ライアは出された紅茶を疑うことなく飲んだ。
それは、彼女が毒を入れるような人ではないと知ってのことなのか。
ちなみに断っておくがカザハはクローバー王国を裏切っているわけではない。
元々クローバー王国民でもなければ人間でもないので、どこに味方につくかは曖昧だ。
強いて言うなら主であるAの味方だが。
「で、そのカザハはご主人ほったらかしてどこにいるのさ」
「彼の森にいます。むしろこっちにいる方が少ないくらいです」
カザハは精霊ではないので、別にAと正式に主従関係を結んでいるわけではない。
主人が死ぬまで魔導書に収まっていなければならないという縛りはないのだ。
2人はただ精霊魔法と同じ力を持っているだけであって、本物の精霊魔法が使えるわけではない。
そういう意味でもカザハとライアは何か通じるものがあったらしい。
ライアとAも、魔法を抜きにしてもきっと話が合うだろう。
だが今、2人はそうなってはいけないのだ。
「……すごい今更ですけど、これって私は国を裏切ったことになるのでしょうか」
「ホントに今更だね」
ライアは呆れたように笑うと、紅茶のカップを置いて立ち上がった。
「安心していいよ。君は裏切ったんじゃない。
裏切られたんだ」
「……？」
「んじゃそろそろ行くわ、紅茶ごちそー様でした」
「あ、あの！ありがとうございました」
「ん？」
「敵とか味方とか関係なしに、私とお茶してくれて」
彼女のあまりにも真っ直ぐなお礼の言葉に、ライアは一瞬固まった。
だがその後すぐにフッと表情を戻して、Aにあの時のことのお礼を言い残してその場を去っていった。
「ウチらの大将の腕治してくれてありがとう」
「！」
Aがネアンの街の時に白夜の魔眼頭首にかけた回復魔法は、アスタ達による外傷だけではなく腕にもかけられていた。
王都騒乱の時に対峙した魔法帝ユリウスによって、彼の腕は極めて回復が困難な状態になっていた。
それを彼女はあの一瞬で治したのだ。
それもノームの魔法を同時に発動した状態で。
「……あの子が本当に裏切り者とされたらその時は、ウチらがあの子に魔の恵みでも分けてあげよう。
多分それがきっと、あの子への最大の罰だ」
そう呟いたライアは、展開した模倣空間魔法と共に王城を去った。
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なな - こちらこそ、ありがとうございます。 (2019年12月1日 20時) (
レス) id: 1a6326dc3e (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ななさん» 刺激的なお話ですね！書いてみます。ななさんリクエストありがとうございました。 (2019年12月1日 15時) (レス) id: 88d49bbab8 (このIDを非表示/違反報告)
なな - リクエストです。夢主の義理の母が、来て夢主の結婚の話をしているところを、誰かが盗み聞きという話って書けますかね。 (2019年12月1日 13時) (レス) id: 1a6326dc3e (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 柚さん» 刀と驚きでほぼほぼ確定ですね！そうです鶴じいさんです。柚さんコメントありがとうございました！ (2019年11月16日 23時) (レス) id: 88d49bbab8 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - 人生には驚きが必要だ…!まっまさか!鶴さん!?鶴丸国永こと鶴じいなんですか!? (2019年11月16日 23時) (レス) id: 441c37839d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年9月28日 0時
