バニラかチョコ

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知らんとる間に本音が出てもうてて、

言葉選んでたつもりやったけど、
やっぱり傷付けたよな・・・


「そっか。
しげの告白、グッとくるもんあってんな。
そっか・・・」


どないしよう。

こんな男前に、切ない顔させてもうてるやん。


「そういうんでもないねん。
ほんまに自分でもよう分からんくって」


「神ちゃんも、しげに無意識に惹かれてたんちゃう？」


「それは、ない、思うねんけど・・・」


「ごめん。
振られたのに、
いつまでも諦めつけへんくって。
女々しいよな。
正々堂々やって、
しげに負けただけやのにさ」


「流星、ほんまに、ごめん」


「神ちゃんが謝る必要ないで」


流星が苦しそうな顔するから、
俺まで胸が痛い。

大切なメンバーで、
唯一同い年で。

ずっと一緒に笑ったり、泣いたり、
同じ夢に向かって走ってきた仲間。


まさか、
流星の俺に対しての気持ちが、
こないに本気やったなんて。

今更、また実感してる。


「けど、俺、なんで流星選ばへんかったんやろって・・・」


「そんなん言われたら、嬉しい分、苦しい」


「ごめん、俺・・・
思ってるまま、言葉にして」


「ほんまに好きやねん。
諦めるんて、難しいんやな」


不意に抱き寄せられて、
困ってまう。


こんな距離、
取材とかでしょっちゅうあんのに。

いつもとは違ってて。


「流星、離してや、ごめん」


肩を押した時、インターフォンが鳴って、
流星の腕から力が抜けた。


モニター覗いたら、しげが立ってるねん。


「しげ、どうしたん」


「電話！出てくれへんかったやん！
心配してんで！」


「あ、ごめん。
音、切れとったかも。
気付いてなくて」


「神ちゃん、いー、れー、てぇ」


節つけて、小学生みたいな言い方してくる。


「え、いきなしやな」


流星おんのに、どうしよう。


「なんでやねん、ええやんか！
アイス溶ける！」


「はあ？
アイス買うてきたん？」


「うん！
神ちゃん、バニラ好きやろ？」


「まあな」


「溶けてまうから、あーけーてー」


流星が立ち上がる。


「神ちゃん、俺のことなら気ぃ、使わんでええよ」


「けど」

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