バニラかチョコ

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腕を解かれた時、
寂しくてたまらんなって。

そんな自分に戸惑ってる。


「そんな顔されたら、離されへんなってまうやろ？」


しげのこんな甘い、
しかも大人びた話し方、
初めて聞いた。


メンバー見てたら、ぶったまげるって！


それより、俺、今、どんな顔してんの？

なんか、心ん中、ぐちゃぐちゃや・・・


「またすぐ会お？
東京帰ったら電話するから。
行こ？な？」


子供に言い聞かせるように言われてしもて。


それやのに、
それに何も言い返されへんかった。


うんって、うなづいただけ。


これじゃ、ほんまに、俺がしげの彼女みたいやん。


あり得へんのに、
絶対にないのに、

胸がきゅうってなって。


抱きしめられた時のような、
言いようのない幸せ、感じてしもてる・・・












撮影場所に戻る。


「何やっとってん。
マネ、カンカンやで。
もう撤収やのに、
戻ってけえへんて」


「神ちゃんついとって、
一本道で迷子か？
携帯も持たずに、ほんま」


淳太と照史に呆れられて。


スタッフさん達に、平謝り。


いうか、俺が何か言う前にさ、


「俺がアイス買いに行こって強引に言うて、
迷ってしもたんです。
神ちゃんまで巻き込んでしまいました。
ほんますいませんでしたっ」


しげが俺を庇って、
めちゃめちゃ謝るねんもん。


普段の俺なら、

俺にも責任あるし、
謝らせて欲しいって思うのに。


きゅんてしてもうて、
何も言われへんかった。



帰りのバスの中では、
しげはいつも通りで。

淳太に悪戯したり、
濱ちゃんとふざけたり。


あれは夢やったんかなって、
疑いたくなる。


そのうち疲れが出て、
みんな寝てもうた。


俺は、目が冴えてしもて、眠られへん。


流星、なんか察してるような雰囲気やし・・・


ごめんな、って、今更思う。


あの帰り道は、
嬉しいて、
しげとの事以外は、
何も考えられへんかった・・・


眠いのに、
目ぇ閉じてても寝られへんかって。


浮かんでくるのは、しげの事ばっか。


告白は、
通常な感じの、
やんちゃなしげらしかったのに。

付き合うって俺が言ってからは・・・


大人っぽくて、そんで、男っぽかった。

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