HIHI 短編集 (ページ5)

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とくべつ：ytmz ページ5

「ゆうとっちー、ゆうとくん、ゆうぴー、ゆうくん」

「何、なに急に」

「ゆうとさま〜、ゆう、ゆうさん」

「だから！なに！！！」

俺に背を向けて多分俺の名前であろう言葉を発しているのは、俺のかわいいかわいい年下の彼女(？)だ。

「なんだよぉ〜気になるぅ〜」

後ろからぎゅっと抱きしめてみる。

うん。無反応。
今日は機嫌がいいな。

付き合ってるというのにスキンシップをしようとすると、この世の底辺を見るような目で俺を見る。まあ、俺が押しに押しに押しまくって付き合ってもらった、という背景があるため少々俺の立場は低いんだけど。

「ゆうさま、うーんどれもしっくりこない」

「そう？っていうか急に何？？どした？」

「今、優斗って呼んでるけどやっぱりさ、みんなとは違う呼び方したいじゃん」

「そういうもん？」

「うん。」

「別に、わざわざ呼び名変えなくても、瑞稀くんが俺の名前呼んでくれるだけで、他の人とはちがう、特別になるよ？」

「⋯そういうもん？」

口をとがらせて俺の真似をする。
目を合わせないのは彼の照れている時の癖。

「瑞稀くんも、そんなこと考えててくれてたんだ、それもまたうれし！！！！！！」

「耳元で言わないで。うるさい。」

目を全然合わせてはくれないので表情はよく見えないけど、耳、赤くなってますよ？瑞稀さん？

愛されてるかちょっと不安だったけどそれは俺の考えすぎだったみたい。ツン9.9デレ0.1な俺の恋人だけどそんなところもかわいい。

細い彼の方をもう一度優しく抱き直して幸せを噛みしめる。
こんな幸せな日がずーっと続きますように。