HIHI 短編集 (ページ15)

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さくちゃんは携帯をいじいじしながらお菓子を食べていた。

「もう夏休み終わるねぇ、さくちゃん課題終わった？」

「ぜーんぜん」

「あーーーーー俺も、家帰ったら寝ちゃうんだよね」

「ほんとにねぇ、暑いと疲れちゃうし。」

「だよな」

ｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞ！
なんでこうも会話が続かないんだ！もっと踏み込めよ！俺！

よし、じゃあ勢いに任せてデートに誘おう！！デートだ！

えっと、えっと夏といえば夏といえばプール！！！！

あーでもそんな時間もないし近場だと野外しかないなぁ日焼けしたら怒られるし。遊園地！もこの間みんなと行ったし。
じゃあ普通に買い物デートとか？無難すぎる？俺の服を選んでもらう。いやいやいや、折角の夏なんだし夏らしいことを

｢あははっっ」

「ん？さくちゃんなんか言った？」

「あははっっ！優斗心の声丸聞こえだよ？」

「え”え”っ！？！！？？！？！」

「ふふっ優斗かわいいこと言うね⋯そんなふうに思ってたんだ。」

うっわ！！！恥ずかしっっ、はずっ！！！！

「耳もそんなに赤くして、最年長さんどうしたの〜」

「うううるさい！」

ゆっくり近づいたさくちゃん。あれ、さくちゃんてこんなに大きかったっけ。

「優斗、ごめんね気づかなくて。」

さくちゃんはソファに移動して腕をいっぱい拡げて俺に言った。

「まだみんな当分来ないし、おいで」

「うざいくらいスタイルいいな、お前」

「お褒めに預かり光栄です」

控え室にあるちょっと狭いソファに向き合って座った。最年長が最年少の膝の上でドキドキしてるよ

「今日の帰りどっか行こっか優斗行きたいとこないの？」

「⋯⋯さくちゃん家」

「遠いけど、来る？」

「え、いいの？」

「うん、多分今日は誰もいないし」

｢⋯⋯それどういう意味だよ」

「そういう意味だよ」

意味深な笑みを浮かべたさくちゃんは本気みたいだ。
ああっ俺どうなっちゃうの

⋯⋯⋯⋯その頃ドアの向こうでは

瑞「ねぇ、いつ入る？」

蒼「まだ無理でしょ」

瑞「でも今入らないとずっとあのままだよ多分」

蒼「勢いだけでドア開けちゃえば！」

涼「いいんじゃね〜の」

瑞「えぇ〜⋯⋯」