北さんの彼女、マネージャーになります【北信介】

▼過去ー特別なもの ページ14

北side




時は過ぎ、中学2年の2月14日。


周りの女子や男子はソワソワしとった。


まぁ、今日ぐらいはしゃあないわな。


俺は全然してへんかったけど。





そん時の俺はずっとバレーの事を考えよった。


逆にバレー以外考えてなかったと思う。





帰りはAと一緒に帰った。


珍しく無言だった。


名前を呼ぼうと口を開いたとき、Aの方が先に声を発した。


貴『信介！』


北「ん？」


貴『これ…！』


Aがそっと俺の目の前に差し出したのは、焦げ茶色の厚めの小さい紙袋やった。


それを見た俺が最初に思ったことは、疑問や。


北「？

　 部活終わりに皆に配ってた時に俺にもくれたで。

　 忘れたんか？」


貴『！？

　 ちゃ、ちゃうちゃう！

　 あれは皆への日頃のお礼で......。

　 信介用に作ってきたんや。』


一瞬何を言われたか分からんかったけど、これが“特別なもの”なんはすぐ分かった。


北「ほうか、ありがとさん。」


そう言って受け取ると、Aは嬉しいような安心したような顔をしとった。









家帰って紙袋の中を見ると。

……小さな箱の他に手紙が入っとった。

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