吸血鬼 66 ページ17
ｰAside
その夜、ベッドの中で壱馬さんが私の髪を撫でながら言った。
壱馬「明日の夜にでも引っ越すか。」
A「はい。
…引っ越しってどうするんですか？」
壱馬「簡単やで。
引越し先に行って、地面に血を撒いて指鳴らすだけ。」
壱馬さんは私の耳元で指を鳴らした。
A「え…、それだけですか？」
壱馬「そう、それだけ。
簡単やろ？
この屋敷ごと移るからな。
荷物も何も持って行かなくていい。」
A「便利ですね。」
壱馬「せやろ。」
壱馬さんが笑う。
A「…でも、いい所が見つかってよかったですね。
今度山彰さんにお礼しないと。」
壱馬「せやな。」
壱馬さんが笑って私の頬を撫でる。
そして、彼は私と額をくっ付けた。
その状態でそっと囁く。
壱馬「…やけど、お前が隣にいてくれたらどこでもええ。」
A「っ！」
耳に心地のいい低い声で言われ、ぎゅっと抱き締められた。
鼓動が早くなり、顔に熱が集まる。
A「…私も、同じこと思ってました。」
壱馬さんが小さく笑う気配がして、指が絡んだ。
壱馬「A…。」
壱馬さんの吐息が掛かり、そっと唇が重なる。
彼は私の後頭部に手を回した。
だんだん深くなるキス。
とろけそうな程甘いキスを繰り返しているうちに、頭がふわふわしてきた。
A「ん…、ふ、は…。」
壱馬「…っ。」
舌が絡まり、唾液が混じり合って唇の端から垂れる。
唇が離れたかと思うと、壱馬さんはひどく妖艶な顔で私の唇をなぞった。
A「っ！」
壱馬「…。」
壱馬さんがまた私の唇に吸い付く。
全てを吸い尽くそうとするような激しいキスに目眩がした。
壱馬さんの気持ちが、流れ込んでくるような感覚になった。
私も彼に想いを伝えたくて夢中でキスに答えているうちに、視界が白くなって来て、何も分からなくなった。
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ありさ(プロフ) - とっても面白かったです！2人のこの先もとっても見たいです！二部作目も楽しみにしています！！！ (2020年9月3日 16時) (
レス) id: 1d0c204c04 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - とっても面白かったです。すごくキュンキュンしました(^^)第2部も楽しみにしています。 (2020年6月28日 9時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 引き込まれるお話で、とっても面白かったです。第2部も楽しみにしております！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: d77e8b9916 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - すごく引き込まれるお話で、毎回の更新を楽しみに見ておりました。第二部も楽しみにしております！頑張って下さい。 (2020年6月27日 21時) (レス) id: 351cfe8a45 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - すごくいいお話で、第二部も読んでみたいです！ (2020年6月27日 11時) (レス) id: 7d566cc079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：直実
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時：2020年6月13日 15時
