掟 11 霧.野side ページ12
「それじゃ…またね…」
「…ああ、また明日」
そう言って俺は彼女にキスを一つ落とした。
玄関を閉めた途端にやるせなさが急に襲ってきた。
でも…
「ああでも言わないと…俺は…」
本当に、生きていけない。
女という生き物は"好き"とか"愛している"とかいう言葉に弱い。…俺の経験上。
何百年もこの命をつなぎ止めてくれたのは人間界の女なんだ。
だから、たとえ好きでなくとも―――
生きるには、欺くしかないのだ。
「霧.野、さっきあの子に"好き"とか言ってたけど？」
「…風.丸さん。いつからそこにいたんですか」
「知ってるよね、俺たちバンパイヤは…人間を好きになってはいけない」
俺の話を無視して自分の話を進める風.丸さん。
風.丸さんはバンパイヤ界での俺の…まあ、先輩にあたる。
「わかってますよ。ああ言わないと、女は俺に体を捧げてくれないんだ。わかってますよね、風.丸さんも」
「ちょっとからかっただけなのに…」
「もうちょっとわかりやすく言ってくださいよ。俺は過去に…」
人間の女を好きになってしまっているから―――
「あの時、俺がどれだけ忠告してやったことやら…お前、死ぬところだったんだぞ」
「…はい、そうでしたね、感謝しますよ」
「棒読み」
「すみません」
俺たちバンパイヤは人間を好きになってはいけない。
なぜなら―――死ぬからだ。
「明日は早いし、俺は界に戻る。霧.野はどうする？」
「…少し寝ます」
「そうか、おやすみ」
「おやすみ」
*
『蘭丸！』
『すごく綺麗な髪！』
『私…蘭丸が好きなの！』
『蘭丸と過ごす時が一番幸せ』
『蘭丸。たとえあなたがバンパイヤでも私は…』
『ねえ、ねえ、起きてよ…起きてよ！！俺、お前がいないとっ…！！！』
『そもそも俺と君は結ばれちゃいけないんだ』
『なんで永遠の命を手に入れたんだろう…』
『俺…人間になりたい…』
『そうすれば、あの世で―――』
『君に会えるから―――』
そうなんだ。
人間を好きになったところで俺たちバンパイヤが幸せになるはずがないんだ。
俺たちはただ―――
女たちの液を吸って生き続けなければならないんだ。
続く (更新停止中)
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水無月のどか(プロフ) - ○が、“く”なのか、“さ”なのか問題が私の頭の中で討論されてる。 (2019年7月6日 13時) (
レス) id: 171e505c5b (このIDを非表示/違反報告)
月宮みやこ(プロフ) - めみおさん» そうなんですか… もし更新されたら、即行で見に来ますね!! (2016年3月15日 22時) (レス) id: 070658f542 (このIDを非表示/違反報告)
めみお(プロフ) - 月宮みやこさん» 終わる可能性は高いですね…申し訳ありません…。もし、もしですが、掛け持ちで意外に行けるかも！と思ったらまた作ると思います！←結構優柔不断なんですよね…(笑) (2016年3月15日 18時) (レス) id: e3b6e207a6 (このIDを非表示/違反報告)
めみお(プロフ) - ゆーみやン＠イナシリらぶ!!さん» はじめまして！ありがとうございます！長いあいだ待たせて申し訳ありませんでした！更新はかなり遅いですが、見てくださると嬉しいです！ (2016年3月15日 18時) (レス) id: e3b6e207a6 (このIDを非表示/違反報告)
月宮みやこ(プロフ) - えええ！終わっちゃうんですか!? (2016年3月13日 22時) (レス) id: 070658f542 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めみお | 作成日時：2015年8月17日 0時
