貴方の隣で。

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今日は小野寺くんが合宿から帰ってくる日。

朝からソワソワして録画してある小野寺くんの試合を見たりする。

石川くんとか柳田さんみたいにたくさんスパイクを打って点を取るのもかっこいいけど、私は堅実にサポートをしたりレシーブをしたりブロックポイントを取る小野寺くんがとても好き。




《日本止めたーーー！！また小野寺のブロックポイントが入ります！！》


そんなテンションの高いナレーターの声と一緒にソファの上でぴょんぴょん跳ねてしまう。

何回見てもかっこいいなぁ……。

やっぱりバレーしてる時の小野寺くんが一番好きだなって思いながら晩ご飯を作り始めた。





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｢ただいま｣



お風呂上がり、玄関から響く小野寺くんの声に反応して髪の毛も乾かさずにバタバタと小野寺くんに駆け寄る。



『おかえりなさい！』


大荷物を持った小野寺くんに膝立ちをする暇を与えずに抱き着いて、たくさん小野寺くんの香りを鼻いっぱいに吸い込む。

ぽんぽんと頭を撫でてくれるその手に、いつもとは違う違和感を覚えて少し離れて小野寺くんの手を見ると、中指と薬指を一緒に巻かれたテーピングと、その間から見える少し変色した指。


『っえ、…どうしたの……？』

痛々しいそれに小野寺くんを見上げる。

｢ブロック練習の時に突き指しちゃって…でも2週間くらいで治るって、だから大丈夫。そんな泣きそうな顔しないで｣

私が慰めなきゃ行けない立場なのに逆にハグされてその匂いに安心してしまう。彼女失格かな……。


『に、荷物！私片付けるから！えっと…小野寺くんは座って！あ、先にお風呂の方がいい？』


ってたくさんの荷物を持とうとすると、離れようとする身体をグッと引き寄せられる。



｢突き指してて一人じゃお風呂入れないから、Aちゃんが入れて｣

耳元でそう言いながらその手を背中に這わせる。


『っ、ん……ぅん…、いい、よ』


ゾクゾクとする感覚から逃げるように身体を離して小野寺くんの手を掴んで脱衣所へ向かった。





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*かしぱんさんからのリクエストです！
→怪我して帰ってきた小野寺くんを心配するお話
ありがとうございました❁

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