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「……ねぇ」
さっきまでの声よりも至極低い声に思わず肩が跳ねる。
『なに、?』
「これなに?」
ふらりと立ち上がった小野寺くんの右手でヒラヒラとされる一枚の紙。
『あっ、それ…今日バイト先で渡され、た…』
「“ いつも可愛い笑顔で接客してくれて好きになりました。よかったら連絡ください ”」
不機嫌そうに此方にヒタヒタと近付いてくる小野寺くんに思わず一歩後ろへ下がる。
「ふーん……、そういう態度取るんだ」
『ちが…っ』
「違くないでしょ。じゃあ何?これ」
『バイト先の常連さんから無理やり渡されて…』
「無理やり?別に捨てればよかったのに?こんな大切に持って帰って来ちゃってさ」
いつもより強い口調に泣きそうになる。
「はぁ……」
小野寺くんから発される深い溜め息に我慢してた涙があふれる。
嫌われた…?
「なんでAちゃんが泣くの」
『だ、って…やだ、おのでらくん、……嫌いにならないで…』
小野寺くんが離れていってしまうんじゃないかって怖くて少しだけ小野寺くんの部屋着を掴む。
「……っ、嫌いになんてなるわけないじゃん……、ごめん、怖かったよね」
そう言って膝立ちをして抱き締めてくれる小野寺くんにまた涙腺が緩む。
『ん、』
「……嫉妬してイライラした。みっともないけど、ほんと、Aちゃんのこと好きすぎて…、ごめん」
少し震える小野寺くんの声に、その言葉に胸がぎゅーっとなって、眉を下げて此方を見つめるその顔をそっと包む。
『小野寺くん、…すき』
そう言ってキスを落とすと後頭部を大きな手に抱えられる。
「べーってして…、」
『ん、んぅ……ふ、っ……ぁっ』
「Aちゃん大好き、このままいい?」
いつもの優しい声に戻った小野寺くんは私の返事を聞かずに私を持ち上げた。
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*かしぱんさんからのリクエスト
→イライラする小野寺くんのお話
と私が個人的に書きたかった
→バイト先でもらった紙に嫉妬する小野寺くん
でした!ありがとうございました☺
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RIO - 小説読ませてもらいました!小野寺くん甘々でイイですよね〜笑更新待ってます!! (2021年10月11日 23時) (レス) @page31 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらいました!小野寺くん甘々でイイですよね〜笑更新頑張ってください!! (2021年10月11日 23時) (レス) @page31 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Kayokoyuki(プロフ) - なんなんですか!この素晴らしい作品!!笑 ドキドキキュンキュンが止まりませーん!! (2020年8月27日 22時) (レス) id: 2c9453d333 (このIDを非表示/違反報告)
なーみ - いつもキュンキュンさせてもらってます!すごいいい作品ですね!これからも頑張ってください! (2019年11月10日 21時) (レス) id: 3876ec7318 (このIDを非表示/違反報告)
みに - デートも中編で見たいです! (2019年11月2日 15時) (レス) id: 4b4ae7edc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろる | 作成日時:2019年10月3日 18時