ウォーアイニー

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：これはなんですか？


『あ、これは以前出させて頂いたDESCEＭTEさんの新作ウェアのカタログです。結構着やすくて、家でも着てますよ。ちなみにこれは一昨年のやつなんですけど』


"そう言って着ていたパーカーを引っ張って見せてくれた"



DESCEＭTEというワードが出ると
一斉に俺を振り返って、何故か恨めしそうな視線を送ってくる

困った俺はとりあえずマサさんを見るけど
マサさんは、俺より困った顔で笑ってた



：スポーツはよく観られますか？



在り来りな質問なはずなのに
俺には画面の中の彼女が、なにか躊躇しているようにも見えた



『まあ、観るのは好き…かな？球技に限りますけど。』


：バレーボールとか観ますか？もうすぐ開幕しますよね


『唯一、ルールがちゃんと分かるので…あ、今思い出したんですけど、洗濯干してもいいですか？笑』



「おーい、Aちゃんタイミング〜！バレーの話広げて欲しかったーー」


「ルール分かるって、やってたのかな？学生時代とか？」


「あー、どうなんすかねー？」



気まずそうに立ち上がってドアの向こうに消えた彼女の背中と
呟かれた山内さんの言葉に、バチンっと記憶が繋がった



まさか、成徳の？

いや、そんな訳ない



AAって、名前…


そうだ、確かそんな名前だった
苗字は違うけど 面影がある



同い年で、あの身長で、

間違いない…



春高バレー1年生レギュラーとして現れた
春高のプリンセス 納谷Aだ。

凄まじい活躍を見せたあの大会の後、公式戦どころかバレー界から姿を消したんだ



それも、突然に。

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