Valentine × Kazuma Kawamura

Valentine × 32 ページ32

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壱馬「じゃあ、３月１４日俺らの記念日ってことでこれホワイトデー。」




A「え、私も！」







壱馬先輩から小洒落た紙袋



私は持ってきたケーキの箱を渡して







壱馬「これ、Aが作ったん？」




A「壱馬先輩に教えてもらったレシピで、」




壱馬「あー、そういえば！懐かしいなぁ」






さっそくフォーク持ってきて食べる気満々の先輩


小さな入れ物に入ったクリーム見つけて


開けて匂い嗅いで






壱馬「あ、これ、Aの好きな花の」




A「え、なんで知ってるんですか？」




壱馬「あーいや、Aも俺の開けてみて？」







なんとなく誤魔化されたけど



紙袋から長方形の箱を取り出して開けると


キラキラとチョコたちが。



でもどれも全部ちょこんとお花がのっている






壱馬「Aの母さんに協力してもらってん。花の香り使って作ってあるんやけど」




A「めっちゃおいしそう。いい匂いもする。家帰ってゆっくり食べます。」




壱馬「えーなんで〜？笑」






呑気にパクパクとどんどん口に運んで


完食が目の前の壱馬先輩




お口に合ったようで。







壱馬「A、今日スカート短くね？」




A「ホワイトデーだから。」




壱馬「髪もアクセサリー類も靴も、」




A「背伸びするためです。少しでも壱馬先輩に近づくため、」




壱馬「..........あー、そうなんや。」






ご馳走さま、とあっという間に食べて



私の方に向き合う先輩



私も先輩の方に向き合う







壱馬「そんな格好すんのは俺の前だけにして？」




A「..........え？」




壱馬「朝から色々と大変やった....でも俺のためやんな。」




A「..........うん、」




壱馬「もう卒業やけど、３年になって注目されること多いと思うけど、一緒に居られる時間少なくなるかもしれへんけどずっとそばにおって？」




A「私いつでも壱馬先輩しか見てないよ？」




壱馬「そっか(笑)それは安心やな」









先輩の前だけでも大人っぽくいたくて


先輩と同じようにいたくて




頑張って背伸びしたホワイトデー







これからは



背伸びするのも


肩を並べるのも


素直になるのも


気持ちを伝えるのも




全部全部先輩だけだから




許してよ、ねえ壱馬先輩？









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Valentine × Kazuma Kawamura fin.









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