Valentine × Kazuma Kawamura

Valentine × 12 ページ12

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優奈「最悪、弁当忘れた。おはよA」




A「おはよう。どんまいだね」




優奈「それ、お弁当？私の分だったり？」




A「なわけないでしょ。壱馬先輩の」




優奈「今日は渡してから来てないの？」




A「先に行ったみたいで学校で渡してだって」




優奈「あーそうなんだ。頑張れ」




A「北ちゃん先輩に会いに行きたいでしょ？付いて来てくれるよね」




優奈「はいはい(笑)」








2 - Dの私たち


先輩たちの教室棟は違うところ



授業の合間の10分休憩の時間じゃ渡しに行けないから


行くなら今から、昼か。




昼は早々に屋上行っちゃうから今しかないんだけど。







A「優奈は北人先輩に何かあげたの？バレンタイン」




優奈「北ちゃんに？あげたよ？シフォンケーキ」




A「いいなぁ、優奈は作るのうまいもんね」




優奈「料理上手のAには言われたくないけど」




A「私逆にそっち専門外」







ガヤガヤ賑わう朝の３年生の教室棟



違う上履きの色だからチラチラ見られる


でも私の隣にはかわいい優奈がいるから無敵、なんて









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A「..........あ、」




優奈「..........あ、A.....」








「あの、もしよかったら.....朝ご飯」




壱馬「..........朝ご飯、お腹すいた。」




「ぜひどうぞ！」




壱馬「..........ありがと。」




北人「Aのはいいの？」




壱馬「いいよ別に、........」









優奈「A、戻ろっか。」




A「..........ごめんね、せっかく付いて来てもらったのに.....」




優奈「大丈夫。ほら、」






とぼどぼと渡り廊下を歩きながら


さっきの光景を思い返す




私のお弁当、いらないのかなぁ




いいよ別に、って酷くないさすがに








A「..........優奈、」




優奈「..........ん？」




A「あげる、お弁当。いらないって言ってたから」




優奈「え？..........でも、」




A「忘れたんでしょ？食べてよ良かったら」




優奈「ずっと食べたいと思ってたから嬉しいのは嬉しいんだけどさ、いいの？」




A「いいよ別に」









毎朝の自分の努力が


少し踏みにじられた感じ




早起きして、美味しいって言ってもらえるように


頑張ってるのに。









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