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「お茶淹れるから座ってて。」
そう言ってキッチンへ行こうとしたのに、亮平に手を掴まれて止められた。
亮「俺も男なんだけど。」
「え？知ってるけど…？」
亮「誰でも家に入れるの？」
「そんなわけないじゃん。」
亮「さっきの人は？」
「え？照？」
亮「あの人のことが好きなの？」
「違うよ…照は同期で仲が良いだけ。それに照彼女いるし。」
亮「ほんと？」
「うん。」
そしてまた沈黙。
「亮平？」
沈黙を破って名前を呼ぶと、いつになく真剣な表情で見つめられた。
亮「A、俺さ、あの日からいっぱい考えた。何でもう会わないって言われたんだろう？とか、何で返信くれないんだろう？って。」
「うん…。」
亮「そしたらさ、気付いたんだ。俺、Aのことすごい好きなんだって。Aがいない人生は嫌だって思うくらい好きだ、って。」
「ぇ…。」
亮「これからもずっと俺の隣にいてほしい。A、好きです、付き合ってください。」
「ほんと…に？」
亮「うん。」
ずっと想い続けてきた気持ちが報われたと思ったら、涙が込み上げてきた。
亮「泣くほど嫌？」
「ううん、違うの。嬉しい。私、ずっと亮平のこと好きだったから。」
亮「え…、じゃあ…。」
「うんっ…よろしくお願いします。」
涙を拭ってそう伝えると、亮平に抱きしめられた。
亮「ほんと嬉しい。」
「私も。」
ぎゅっと抱きしめられていた力が少し緩んで顔を見合わせる。
本当に嬉しそうな笑顔の亮平を見て、私も笑顔になる。
また笑い合えるんだ、しかも彼女として、って思ったら嬉しくて嬉しくてたまらない。
私達はしばらく笑い合った。
亮「もっと早く伝えに来ればよかったな…そしたらAからチョコ貰えたのに。」
「亮平ってそういうこと言う人だっけ？」
亮「言うよ。俺普通の男だから。好きな子からのバレンタインチョコは欲しいに決まってるじゃん。」
大真面目にそういうから笑ってしまう。
亮「おい、笑うなよ！」
そう言いながら亮平も笑ってる。
「来年は頑張って作る。」
亮「ん。めちゃくちゃ楽しみにしてる。」
「来年まで彼氏でいてくれなきゃあげないからね。」
亮「大丈夫、たぶんAが最後の彼女だから。」
「じゃあチョコの代わりね…。」
少し背伸びしてチュッと軽く唇を合わせた。
亮「何それ、可愛すぎるんだけど。」
少し驚いた様子の亮平からすぐにお返しがきた。
END
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作者名：柊李 | 作成日時：2023年2月13日 22時
