2月14日の過ごし方 (ページ41)

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男友達（阿部亮平）ページ41

亮平飲み付き合って。

久しぶりに動いたトーク画面を見て、ドキリとする。

送り主は高校で出会った同級生の阿部亮平。
一年生の夏休み明けの席替えで隣になったのが仲良くなったきっかけだった。
何がそんなに合ったのかはわからないけど、あっという間に仲良くなった私たちは男女の友情はあり得ると言うことを証明する二人だ、なんて周りから言われるくらいになり、いわゆる親友、的な立ち位置だった。

でも、実際はそうでもなくて、というか私の気持ちがそうじゃなくて、私は結構早くから亮平を好きになっていた。

男女の友情はあり得るか、と言う問いに私が答えるなら、もしどちらかが恋愛感情を抱いたとしても、それを隠し通すことが出来るのであればあり得る、と答える。

つまり私と亮平が今も友達であり続けているのは私が一切好きだと言う気持ちを伝えてこなかったからだ。

そのおかげで私は間違いなく亮平のことを一番知っている女だと思う。

歴代の彼女よりも。

仕事の愚痴も、昇進した話も、何なら恋愛相談にも乗ってきた。
誰が好きな男の恋愛相談に乗りたいんだよ…なんて思いながらもちゃんと相談に乗った私はとても偉いと思う。

彼女より知ってるからと言って歴代の彼女にマウントを取るなんてそんなことはしたことない。
当たり前だ。
亮平の幸せを壊すようなことはしない。
何なら彼女がいる時にはあまりこちらから連絡をしないようにするといった心遣いもしてきた。

つくづく、健気で都合の良い女だと思う。

Aいいよ。どこ?

亮平が飲みに付き合えと言う時は決まって彼女と別れた時だ。

そうで無ければ、時間ある？とかご飯行かない？と連絡が来るからわかりやすい。

今回はどんな子と付き合ってたんだろうか…。

社会人になってからの亮平の彼女については、別れたと言う話を聞く時に軽くどんな子だったか聞くくらいであまりよく知らない。
だからこそ、私は何でも話せる友達で居続けることが出来たとも言えるかもしれない。

知らなくて良いことも世の中には沢山あるって言うけど、ほんと、その通りだと思う。

亮平が好きになる子を知って、自分との違いをはっきりと知る必要なんてない。

健気な私は、亮平のために仕事を定時に上がれるように頑張った。

そしてもちろん定時に上がり、亮平から送られてきていたURLのお店に向かう。