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「い、岩本さん！そんな可愛いとか言わないでください！！」
照「なんで？」
「慣れてないから…。恥ずかしい…です。」
照「そういうとこも可愛い。」
「もう！！意地悪しないでください！！また検温の時に来ます！！」
私はそう言って足早に岩本さんの病室を出た。
最近岩本さんが私に可愛いとか好きとか恥ずかしくなることを言ってくる。
人として、好きとか可愛いとかって言葉は嬉しいけど、照れてしまうからやめてくださいと言ってもあまり効果はない。
入院生活は娯楽もなくて暇だろうし、私との会話を楽しんでくれているなら良い。
言われることも嫌なことってわけではないし。
ただドキドキしてしまって仕事にならないから困ってるだけで…。
この23歳まで勉強一筋で恋愛なんてしてこなかった私の反応は、5歳年上のお兄さんで、モテモテそうな岩本さんにとっては新鮮なんだろうなと思う。
その後も毎日、岩本さんは私に可愛いと言い続け、二日に一回は好きと言ってくれる。
そのカーディガン似合ってるね、とかその髪型好き、とか。
手が好き、目が好き、声が好き、などありとあらゆるところを褒めてくれる。
そしてその言葉に照れる私を見て、甘い声でトドメを刺してくる。
岩本さんは普通に離すときの声が優しい。
でも、私を褒める時の声は優しさが倍増になるというか、とっても甘くなるので余計に照れてしまう。
彼氏がいたらこんな感じなのかな？とか、岩本さんが彼氏だったら、なんてことを考えてしまうようになってきて、岩本さんと目を合わせること自体緊張するようになってしまっている。
そうすると、なんで目、そらすの？とストレートに聞かれて、そらしてませんよ、と言うしかないので頑張って緊張を悟られないように努力している。
だからそんな私を見て、嬉しそうな岩本さんに気づくことはなかった。
岩本さんからのご褒美のおねだりは何度もあった。
大体はハグ。
お疲れ様のハグ。
だから今日もお願いがあるんだけど、と言われて、いつものご褒美のハグの話かな、と思っていた。
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作者名：柊李 | 作成日時：2023年2月13日 22時
