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照「ねぇ、今日のリハビリの予定ってどんなだっけ？」
「今日は午前にここで両腕のリハビリですよ。腕はもうだいぶ良くなってるって先生も言ってましたし、ギプスも取れてるので、もう一踏ん張りですね！」
照「そうだねーもうAちゃんにご飯食べさせてもらえなくなったもんね。」
両腕が使えない時は私が食事補助をしていたのでそんなことを言う岩本さん。
「いいことじゃないですか。腕が治ったら歩行のリハビリが始まりますし、退院の目処もついてきますよ。」
照「でもなー、リハビリって辛いんだよね。」
「そうですよね。」
照「ご褒美があれば頑張れるんだけどな。」
「ご褒美ですか…？何か食べたいものがあるとかです？」
照「Aちゃんにお疲れ様ってハグしてもらえるなら俺今日めっちゃ頑張れると思う。」
「え！？」
照「いいでしょ？」
岩本さんは一見クールな感じなのに実は結構甘えたがりだ。
こう言うことも今日が初めてではなく、食事補助をしていた時とかも、なぜか雰囲気が甘くなることがあった。
長い入院生活で不安もあるだろうし、まぁ、ハグくらいなら…と了承すると目がなくなってしまうくらいにこーっと笑って頑張るね、と言った。
そして言葉通り岩本さんはめちゃくちゃ頑張ったらしい。
照「俺今日めっちゃ頑張ったよ、Aちゃんと約束したから。」
「はい、聞きましたよ。もう手はほとんど完治に近いそうですね！」
照「じゃあ…。」
期待してる表情でこちらを見ている岩本さんに近付き、そっとハグをした。
「お、お疲れ様でした…。」
男の人とハグなんて初めてで恥ずかしい。
岩本さんの手がそっと私の背中に回り、私も抱きしめられる。
照「俺さ、目覚めた時ほんとは死んだのかーって思ったんだよね。」
いきなり突拍子もないことを言い出す岩本さんに驚いて腕を離すと、岩本さんの手もほどかれた。
照「だって目の前に可愛い天使がいたからさ…あ、俺死んだのか、ここは天国なのか？ってね。まぁ実際は生きてたし、その天使は看護師さんのAちゃんだったんだけどね。看護師さんが白衣の天使って本当なんだなって思ったよ。」
「でも、あの時私真っ白じゃなかったですよ？カーディガン着てましたし。」
照「ふはっ、そう言うことじゃないよ、Aちゃんがすごく可愛いから天使に見えたってこと。」
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作者名：柊李 | 作成日時：2023年2月13日 22時
