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初恋を良い思い出にしたいと思って他に好きな人を…と思ってもなかなか他に好きな人ができず、結局24歳になった今でも辰哉先輩のことが心に残ってしまっている。
真「A、まだ好きなの?辰にぃのこと。」
今日は久しぶりに真子と会う日で、ご飯を食べながら唐突にそう聞かれた。
「…うん…。」
真「なんでそんなに?別に普通の人だよ?他にも良い人いっぱいいるよ?」
「…わかんないけど。好きなんだもん。」
真「そっかー、じゃあ良いこと教えてあげる!」
「なに?」
真「辰にぃ、この前彼女と別れたよ!」
「え…。」
大学生になってから、辰哉先輩には常に彼女がいた。
だから頑張ろうにも頑張れないっていつも真子に言っていたのだ。
真「半月くらい前にあった時に別れたって聞いたし、昨日一応確認してみたんだけど、まだ彼女出来てないって!!A、チャンスだよ!」
「え…と…どうしよう…。」
真「どうしようって!今日の日付見りゃ答えは一つでしょ!」
真子にそう言われてスマホで日付を確認する。
「2月12日。」
真「そう!!明後日はバレンタイン!!」
「バレンタイン…。」
真「高校三年の時が最後でしょ?辰にぃに渡したの。」
「うん。」
真「Aの最高傑作で辰にぃのこと落としちゃえ!!」
「が、頑張る…。」
半ば真子の勢いに押された形ではあったけど、私は頑張ることにした。
これでダメだったら、本当に諦める。
私だって成長したんだから、今度こそ、ちゃんと伝えるんだ。
そう決心して、真子にも頑張れって応援してもらって、家に帰ってからすぐに辰哉先輩に連絡をした。
A辰哉先輩、お久しぶりです。明後日の夜ってお時間いただけませんか?
送信ボタンを押してすぐにトーク画面を閉じる。
そわそわしてしまうから先にお風呂にでも…と思った瞬間にスマホが震えた。
辰哉久しぶりー!明後日何もないから大丈夫よ!19時くらいで良い?
「え、やった…。」
Aありがとうございます!19時で大丈夫です!
辰哉じゃあ明後日Aちゃんの職場の前まで迎えに行くね!
よろしくお願いしますと返事をして大急ぎでお風呂に入り、私はなにを作るか考え始めた。
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作者名:柊李 | 作成日時:2023年2月13日 22時