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学校が終わり、帰ろうとしたところへ入ってきた一通のLINE。
お母さん大根3 白菜大きめ1 玉ねぎ5
翔太くんのとこで料理酒1
領収書も忘れずにね!よろしく!
「まじ?」
重いものばっかじゃん…と思いながら学校を出てスーパーへ。
頼まれたものをカゴに入れるとやっぱり重い。
レジを通って袋に入れてもやっぱり重い。
なんならカゴの時より袋の方が重く感じる。
手に袋が食い込む感じというか…。
はぁ…とため息を一つ吐いて、酒屋へ。
「こんにちはー。」
翔「お?なんだAじゃん。」
「あ、今日は翔太くんが店番なの?」
翔「親父、ちょっと出かけてるからその間な。帰ってきたら配達。」
「そっか。あ、いつもの料理酒ください。」
翔「ん。てか重そうだな、そこの台に一旦置けば?」
「ありがとー、手ちぎれるとこだったー。」
翔「おつかい偉いじゃん。」
そう言ってまた頭を撫でてくる。
翔太くんはことあるごとに私の頭を撫でる。
ポンポンと軽くの時もあれば、髪がぐしゃぐしゃになるくらい、わしゃわしゃーってする時もあるけど、どんな撫でられ方でも好きな人に触れられているわけだから、私はドキドキしてしまう。
これだったよな?と奥から料理酒を持ってきてくれた翔太くんにお金を払っていると、ちょうどおじさんが帰ってきた。
翔父「お!Aちゃんじゃないか!ますます綺麗になって!!今日はおつかいか?」
「んふふ、おじさんいつも褒めてくれてありがとう!今日は過去最高の重量級のおつかいなんだー。」
そう言って台の上の荷物を指差すと、それを確認しておじさんは豪快に笑った。
翔父「香織さんも相変わらず容赦ないねー!あ、そうだ。翔太、店まで運んでやんな。配達はそれからで良いから。」
「え!?良いです良いです!大丈夫!!あとちょっとだし持てますよ!!」
翔「良いから、ほら行くぞ。」
「え!?翔太くん!?ちょっと!!」
料理酒と台の上に置いていた荷物をサッと持って、じゃあ行ってくるわ、とおじさんに声をかけて店を出ていく翔太くんを急いで追いかける。
ちゃんとおじさんにお礼を言うのも忘れない。
「翔太くん!持てるよ?」
翔「良いから。助けてもらえる時は助けてもらっとけ。」
「ありがと…。」
翔「ん。」
「手、痛くない?」
翔「軍手してるから大丈夫。」
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作者名:柊李 | 作成日時:2023年2月13日 22時