俺が恋した雪女【山本彰吾】

雪女 10 ページ10

利樹side





俺は利樹 、炎精 。





Aにとっては命取りになる空の者だ 。





俺やAの他にも 。木の者 。雨の者 。






陽の者 。影の者とか 、いっぱい居る 。






何日かAの様子を空で見ていたがやっぱり危険だ…





もう連れて帰ろうと地に降りたが 、Aは頑なに帰ろうとしない 。





…倒れてまで 、その男を守りたいのかな…





「 おい ! 火の使い ! 空に連れてって治してやれよ ! 」





…俺だって連れて帰りたいよ… 、でも…






『 … 』微笑 ｼｰ




〈 っ、！ くっ…! 〉




人間の男に気付かれないように目を薄く開いて




人差し指を立て俺を見る 。





……でも 、空に連れて行こうが何をしようが






空の者は地上に足を置いて10日経つと空に戻る途中で消える 。






Aはもう10日を切っているからどの道
連れて帰る事は出来ない… 。






俺は人間の言葉を聞かないフリして空に戻った 。





〈 … 、〉涙流






{ …だから 、行かない方が良いって言っただろ 、}





〈 竜太くん…っ 、俺… Aが消えたらどうしよう…っ ! 〉涙流





俺は産まれて始めて子供みたいに泣きじゃくった…





{ …Aが望んだ事なんだろ… ? Aがあそこにいる以上 、自分に何が起きていつ自分が消えるかなんて隠す事は出来ない 。…だから}





" 利樹 、お前が行ってあの人間に伝えて来い "



Aは絶対あの人間に自分の事を言わない 。






そう言われたけど 、本当に俺もそう思った 。





だから 、A 、ごめん 。








俺人間に全て話すよ 。

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