俺が恋した雪女【山本彰吾】

雪女 16 過去 ページ16

利樹side






冬ももう終わりになった時 。





あの少年のお婆さんはどんどん衰弱して行った…







その姿…様子を俺は空で見ていた 。





〈 …… 〉







「 婆ちゃん… 」





" 彰吾 、お前は今…したい事はあるかい… ? "





「 まだ… 」






" そうかい… 、でもね…それでもいいんだよ… "




「 え… ? 」





" お前がもし 、やりたい事が無いなら… これからゆっくり探して行けばいい… そして "







" 自分が1番心臓が揺れ動く方へ自分のペースで歩いて行けばいいんだよ… "






「 …婆ちゃん…っ 」






〈 1番心臓が揺れ動く方…か 、〉





Aは案外…良い人に目を付けたのかもな… 。





〈 …… 。〉




あいつに… 、言わないと… 。









そして数時間すると 、Aはいつもみたいに空で地上を見ていた 。








『 …… 。』







〈 …A 。〉





『 …何だ 。』




〈 単刀直入に言う 。もう地上を見るのはやめろ… 。〉







『 … !? 何だって… ? 』




〈 …もう地上を見るな 。余計な気をあいつに起こすなと言ってるんだ 。〉







『 …余計な気だ ? お前に私の何が分かる… 』






〈 …空の者が人間に感情を持つ事は厳禁だって知ってるだろ 。〉






俺はAの事を思って言ったつもりだった 。






でもそれが逆効果だということも知らず 。






『 …意地悪な利樹は嫌いだ… 』涙流






〈 っ…A… 。〉





『 近付くな ‼‼‼ 』






まさかこんな事になるなんて… 。





Aの怒鳴り声でゾロゾロと色んな人が来る





{ 何事だ… } 《 …A 、どうした… ? 》





『 空の者が人間に余計な気を起こしたら… 追放…だったっけか… ? 』






A 、まさかそのつもりで… ?





{ おいA 、お前何するつもりだよ 。}






『 …追放される前に 、私が自分で消えてやる。』






そう言ってAは立ち上がり…









空から飛び降りた 。

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