作者達が迷い込む町 3 【小説】 (ページ33)

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正体判明｡ついでにウサギ暁月ページ33

今、能力を試すために俺は森の中に来ている。先程の戦闘だけではあまりよく分からず、ここで試してみるしかないと思ったのだ。ほんの一瞬だけ見たような気がする人影に少し引っ掛かりを覚えたが、今はそんなことを気にしていてもどうにもならない。

だが、それとは別に少し気になることがある。

「俺は一体なんという種族なのだろうか……」

どうやら獣人やら神様の子供だとか、ここに来たやつらはそんな特殊なステータスを手にいれているらしい。

と、考察を巡らせている時だった。頭の中に聞いたことのない声が届いたのは。その声はこう言った。

『お望みとあらば教えてやろう』

ほんの少し驚いたが、ここに来てから相当驚くようなことがあったので、もうどうでもいいというような気になってきているのだ。

「誰だ?」

『あ、たいして驚いていないようだな。我が娘よ』

「だから誰だ?」

とりあえず尋ねてみたが俺の求める答えはなかなか返ってこない｡

『いや、うん。まあいいや。僕は太陽の神様だ。後は俳句とか予言の神様でもあるんだ』

やっと返ってきたと思ったらいつの間にか砕けた口調になっている。神様にしては軽い上に、こいつ思いっきり『我が娘』とか言ってしまっている。つまり、俺は太陽の神様の娘?

……は?

『そんなに疑わないでよ。て言うか僕の子供ってカミングアウトしてあげたんだからむしろ喜んでもいいくらいなんだけど』

なんだかごちゃごちゃうるさい神様を頭の中から強制的にシャットアウトする。……やろうと思えばできることなんだな、これ……｡

まあとにかく、種族が(もしかしたら知らない方がよかったかもしれないが)分かったからもう能力を試すまでの時間を引き延ばす必要はないと分かったので能力を試すべく俺は集中してみる。

ところが、次は何かが威嚇するような声が聞こえてきた。うんざりしながらそちらを見ると、そこにいたのは……｡

「……ウサギ?」

と、怯えたような表情をしている少女だった。