作者達が迷い込む町【小説】 (ページ38)

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朝ごはん　真白里桜ページ38

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外に出ようと思ったけど、やっぱりお腹がすいたので、朝ごはんを食べることにした。
一緒に行ってくれると言う露都さんについて、食堂へ向かう。

「あの、露都さん…………」

「あ、新入りちゃんさっきから露都さん露都さん言ってるけど、うちのことは普通に露都でいーよ？」

え、いいのだろうか。
まあ、本人がいいって言ってるから、いいんだろうけど。

「は、はい…………」

「あと敬語！敬語も無しね！」

「は、はぅ…………うんっ」

難しい…………。
中学のときから敬語は癖だったんだよね。これは頑張るしかない。

「ところで、ご飯は誰が作るの？」

「んー、特に決まってないなー。昨日の夜は、鳴く狐が作ってくれた」

知らない名前。
まだここには、たくさん知らない人(?)がいるんだ。

…………ていうか、人外って、料理のクォリティ大丈夫なのかな？一応あたしは、ここに来る前の記憶はある。人間の料理ならおいしく作れるはず。

「あの、よろしけ…………よかったら、あたしが作りま…………作ろうか？」

だめだ、敬語これ癖だ。

｢おー！食べてみたい！」

｢何が食べたい？」

｢んー…………、うちデザート系以外食べれないから、逆にデザート系なら何でもいーよ！」

うおぅ…………。
なんか、あたしより好き嫌い厳しい人？がいた。

｢んー、じゃあ、クッキーでも焼く？」

｢チョコチップ入りでお願い！」

｢了解！あーでも、卵無しでいい？」

｢どーした？アレルギーかなんかあるの？」

｢いや、あたしが卵苦手で、入れると味見もできなくなっちゃうから」

｢まじか辛いねー…………。じゃ、それでよろしく！」

露都が、輝くばかりの笑顔になる。
つられて、あたしも少し口元を緩めた。

ーーーーー

食堂に入ると、複数人(人かどうかも怪しいけど)が着席していた。人見知り発動してしまい、ちょっとびびる。
それを見た露都が苦笑して、

｢あー、誰も取って食ったりしないから大丈夫だよ｣

まあ、露都がそう言うなら…………。

あたしは覚悟を決めて、空いてる席に着いた。