学べる事なんて 湊花 ページ38
眼鏡のオバサンといい、さっきすれ違ったあのオバサンといい、矢張りここにはロクな人がいないみたいだ。
「学べる事なんてあると思えないんだけど」
使えそうな部屋……、ここでいいや。
適当にドアを開けて中に入る。
「狭っ!有り得ないんだけど!」
ボクは前まで、パパが用意してくれた別荘に住んでいた。
元・殺し屋の執事&メイド付きで、それなりに広くて快適だったんだけど……。
「何でこんな、手入れの行き届いてない所で暮らさなきゃいけないの?」
しかも、荷物はほとんど持って来ていない。
仕事の道具や、お気に入りの写真…それぐらい。
何の写真かって?もちろん…見せないけどね。
あ、そう言えば忘れてた。
ここに来る前に一仕事してきたから、汚れた服があるんだっけ。
洗濯機……どこにあるのかな。
というか、見取り図とか作ればいいのに!
ここの管理者は気が利かないね。
__________
あー、どうしよ。
洗濯機を見つけたのはいいんだけど、使い方が分かんない。
今までずっと、自分でやった事なかったから。
手に持っているのは、血に染まったセーラー服。
洗濯するの、諦めようかな。
自分の部屋に帰ろうとしたら、さっきのロリータ服のオバサンと鉢合わせた。
「あれ、どうしたんですか?時雨くん」
「勝手に名前で呼ばないでくれる?ちゃんと許可取ってよ」
「ごめんなさい!駄目でしたか」
「…別に、何て呼ぼうと構わないけど」
「では、時雨くんと呼びますね!」
さっきからずっとニコニコしっ放しで、何か調子狂う。
「それで、時雨くんはお洗濯ですか?」
「まあ、そんな所」
「わあ!時雨くん、セーラー服を着るんですね!」
目ざとく見つかったけど、血が付いてる事に関しては触れられなかった。
「もしかして、使い方が分からないんですか?」
……バレた。
「そうだけど、何?文句あるの?」
「良ければ、初ちゃんが教えてあげるのです!」
洗濯しておかないと次使うときに困るし……、仕方ないか。
それから、洗濯機の使い方について教わった。
まず、お湯につけて血をある程度落としてから洗うらしい。
学べる事なんてないと思ってたけど……しっかり習ってしまった。
まあ、ロクな人ではなさそうだけど。
どうやら、悪い人でもなさそうだ。
オバサンかぁ……… 水無月カエデ→←嫌味?いえ褒め言葉です! サワー
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鈴ちゃん♪(プロフ) - そうでしたか、無礼なコメント、申しわけございませんでした! (2019年10月7日 18時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
サワー(プロフ) - 鈴ちゃん♪さん» 更新しますよ!ですが私は少し忙しいので遅れます……! (2019年10月7日 7時) (レス) id: 59631e9c92 (このIDを非表示/違反報告)
鈴ちゃん♪(プロフ) - 皆さまに質問です。続編が出ましたが更新はもうしないのですか? (2019年10月7日 3時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しました!報告忘れていてすみません。フォントもベーシックに戻しました! (2019年9月28日 22時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しますね! (2019年9月28日 11時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
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