ボクの楽しみ 湊花 ページ47
やばい、完全に寝過ごした。
きゅるる…
お腹の虫が空腹を訴えている。
とりあえず一階に下りてみよっと。
__________
階段を下りている時に、ふと『匂い』がする事に気付いた。
これは、ボクがよく知っている___血の匂いだ。
「!…もしかして」
ある予感がして、急いで階段を駆け下りた。
キッチンに近づく程、匂いは強くなっていく。
扉は開いていた。
そして、中に入った瞬間ボクの目に飛び込んできたのは___。
「やっぱり!」
今なお広がり続けている血だまりと、喉を抉られた人間の死体。
見た事のない顔だし、招待された人が殺される事はないはず。
大方、この中の誰かを狙って返り討ちに遭ったんだろう。
でも、そんな事はどうでも良かった。それよりも……
「ねえ!この死体…貰っていい?いいよね!?」
ボクが興奮気味に言うと、その場にいた全員が驚いた。
「誰が処理したって同じでしょ?それとも、他に欲しい人がいるの?」
「いや…俺はいらない」
女装のオバサ…オジサンが最初に口を開いた。そして……
「わっ、私も…」
「私もです」
「眼鏡のオバサンは?」
血塗れのフォークを持っているのを見るに、この人が殺したんだろう。
何やら考え込んで、口を開いた。
「いいのかな、私が汚しちゃった訳だし…」
「じゃあ、死体を運ぶのを手伝ってよ!」
「分かった。でも、床を拭くのは私がやるから」
他の人たちの方を見て、
「みんなは、そのままにしておいてくれればいいよ」
そう言われても、みんなどこか上の空だった。
__________
せっせと階段を上がって、ボクの部屋の前に着いた。
「ちょっと待ってて」
そう言って部屋の中に入り、棚の引き出しからブルーシートを出して床に広げる。
眼鏡のオバサンの所に戻り、再び死体を持って部屋に入れる。
「ねえ、この死体…何に使うの?」
いつものボクなら、絶対に答えないだろう。
でも、今は最高に機嫌が良かった。
部屋にある写真立てを掴んで見せる。
「これって…」
「ボクの最高傑作だよ!」
写真に写っているのは、沢山のかんざしで彩られた死体。
それはまるで、死体に花が咲いたような綺麗な写真。
「この死体もそんな風にするの?」
「そう!カワイイでしょ」
一瞬だけ複雑そうな表情を見せたが、「じゃあね」と言って足早にボクの部屋を出ていった。
さて、これからがお楽しみ。
お腹が空いていた事など忘れて、ボクはかんざしを手に取った。
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鈴ちゃん♪(プロフ) - そうでしたか、無礼なコメント、申しわけございませんでした! (2019年10月7日 18時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
サワー(プロフ) - 鈴ちゃん♪さん» 更新しますよ!ですが私は少し忙しいので遅れます……! (2019年10月7日 7時) (レス) id: 59631e9c92 (このIDを非表示/違反報告)
鈴ちゃん♪(プロフ) - 皆さまに質問です。続編が出ましたが更新はもうしないのですか? (2019年10月7日 3時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しました!報告忘れていてすみません。フォントもベーシックに戻しました! (2019年9月28日 22時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しますね! (2019年9月28日 11時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
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