検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:2,649 hit

ボクの楽しみ 湊花 ページ47

やばい、完全に寝過ごした。

きゅるる…

お腹の虫が空腹を訴えている。

とりあえず一階に下りてみよっと。

__________

階段を下りている時に、ふと『匂い』がする事に気付いた。

これは、ボクがよく知っている___血の匂いだ。

「!…もしかして」

ある予感がして、急いで階段を駆け下りた。

キッチンに近づく程、匂いは強くなっていく。

扉は開いていた。

そして、中に入った瞬間ボクの目に飛び込んできたのは___。

「やっぱり!」

今なお広がり続けている血だまりと、喉を抉られた人間の死体。

見た事のない顔だし、招待された人が殺される事はないはず。

大方、この中の誰かを狙って返り討ちに遭ったんだろう。

でも、そんな事はどうでも良かった。それよりも……

「ねえ!この死体…貰っていい?いいよね!?」

ボクが興奮気味に言うと、その場にいた全員が驚いた。

「誰が処理したって同じでしょ?それとも、他に欲しい人がいるの?」

「いや…俺はいらない」

女装のオバサ…オジサンが最初に口を開いた。そして……

「わっ、私も…」

「私もです」

「眼鏡のオバサンは?」

血塗れのフォークを持っているのを見るに、この人が殺したんだろう。

何やら考え込んで、口を開いた。

「いいのかな、私が汚しちゃった訳だし…」

「じゃあ、死体を運ぶのを手伝ってよ!」

「分かった。でも、床を拭くのは私がやるから」

他の人たちの方を見て、

「みんなは、そのままにしておいてくれればいいよ」

そう言われても、みんなどこか上の空だった。

__________

せっせと階段を上がって、ボクの部屋の前に着いた。

「ちょっと待ってて」

そう言って部屋の中に入り、棚の引き出しからブルーシートを出して床に広げる。

眼鏡のオバサンの所に戻り、再び死体を持って部屋に入れる。

「ねえ、この死体…何に使うの?」

いつものボクなら、絶対に答えないだろう。

でも、今は最高に機嫌が良かった。

部屋にある写真立てを掴んで見せる。

「これって…」

「ボクの最高傑作だよ!」

写真に写っているのは、沢山のかんざしで彩られた死体。

それはまるで、死体に花が咲いたような綺麗な写真。

「この死体もそんな風にするの?」

「そう!カワイイでしょ」

一瞬だけ複雑そうな表情を見せたが、「じゃあね」と言って足早にボクの部屋を出ていった。

さて、これからがお楽しみ。

お腹が空いていた事など忘れて、ボクはかんざしを手に取った。

混乱 月見里あさひ→←侵入者 水無月カエデ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , 赤黒い家
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鈴ちゃん♪(プロフ) - そうでしたか、無礼なコメント、申しわけございませんでした! (2019年10月7日 18時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
サワー(プロフ) - 鈴ちゃん♪さん» 更新しますよ!ですが私は少し忙しいので遅れます……! (2019年10月7日 7時) (レス) id: 59631e9c92 (このIDを非表示/違反報告)
鈴ちゃん♪(プロフ) - 皆さまに質問です。続編が出ましたが更新はもうしないのですか? (2019年10月7日 3時) (レス) id: e69227227d (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しました!報告忘れていてすみません。フォントもベーシックに戻しました! (2019年9月28日 22時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)
ここ。(プロフ) - 更新しますね! (2019年9月28日 11時) (レス) id: 8956dbb137 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:グランディ x他8人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年8月2日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。