作者達が迷い込む町４【小説】 (ページ44)

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私は月見里あさひページ44

雫さんミニ家出騒動が落ち着き、私たちは帰路に着いた。

「そういえば雫さんも物書きとして怪夜町(ここ)に飛ばされたんですか？」

「ん？ああ、そう。ゲームしてたら液晶が光りだして、気づいたらここに。」

雫さんは不登校でゲーマーだったらしい。

不登校。彼方が居なければ私も進んでいたかもしれない道。

「私、よく名前を読み間違えられるんですよ。

月が見える里、月見里と書いてやまなしって読むから、昔っから、

つきみざとさん、つきみざとさんって呼ばれるんですよね。

月が見える里は山が無いからやまなしって読むらしいですよ」

月見里(やまなし)という名前は、嫌いでは無い。寧ろ好きだが、少し不便だ。

そういえば雫さん、雫って名前についてるけど髪とか目は赤に近いんだなあ。

きっと、自己紹介の時苗字しか言わなかったのもその所為なのかな。

でも。

「雫さんの髪、私は綺麗で素敵だと思う。」

「え？」

あ、声に出てた。

「あ！え、えと、それは、その…

私個人の意見ですけど！

私はそんな素敵な髪の色も目の色も無いから、すごく綺麗だなって…

私は色んなことが平凡か平凡以下で、どこか突出してすごいところもないんです！

彼方の嘘吐きも、雫さんのその見た目やゲームの腕も、すごく羨ましいです！

雫さんはその見た目がコンプレックスかもしれないですけど、

少なくとも私は、良いと思います！」