ここ、どこだろう? ー雨瑠(あめる) ページ5
ぽたり。ぽたり。
僕の髪の毛の先から、水滴が落ちる音だ。
学校帰り、僕は雨に濡れたかったから、という単純な理由で雨に濡れ、そのまま電車に乗ったのだ。
隅っこの席に座り、ヘッドフォンを耳にかける。最近はまっているバンドのいじめられた少年が最終的にみずから命を断ってしまう歌を聞きつつ、ボーッと外を眺める。
と、急に眠気が襲ってきた。
曲が次の怪物が人間に恋をしてしまう愉快で悲しい曲に移った所で、僕は眠りに落ちた。
『…特別な夜に御招待』
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目を覚ますとそこには見知らぬ景色が広がっていた。
雨はやんでいる。
いまだにポタリポタリと髪の毛が滴を落としていると言うことは、そんなに時間は経っていないのだろう。…おかしい。ならば未だ日は暮れてない筈なのに。
取り敢えず電車から降りよう。
降り口に向かうが、そこに運転手や車掌といった人の姿はなかった。ますますおかしい。
「おや。こんなところに迷い子がいるとは。珍しいじゃあないか。しかも、電車、とな。」
唐突に背後からかけられた声に驚いて振り向いてみれば、そこにはシルクハットを被り奇抜な格好をした男性とも女性ともつかない人物が立っていた。
「吃驚した〜…何かな、おにぃさん。ここがどこか知ってるの?」
「…ここは怪夜町。兎に角自由な町さ。ここでは何をやってもいい所だよ。」
おにぃさん、と呼んだことに否定しないのなら、この人はきっと男性なのだろう。それにしても、怪夜町、か。聞いたことがない。
「あまり、驚かないのだね?」
「まぁ、元いた場所は好きではなかったから。」
「そうか…ならばはぐらかさずに話そうか。ここは怪夜町。作者達が迷い込む町さ。それにともない、君の姿は変わっているよ。それに、能力だってある。」
ふと儚げな笑顔を浮かべたあと、おにぃさんはつらつらと説明を始める。
そっと自分の横髪を掴んでみれば、成る程確かに桜色をしている。
って、能力?!
「嗚呼、能力さ。君の場合は、自らの血液を結晶に変え、それに様々な力を付加する能力。」
僕の内心を知ってか知らずか、おにぃさんは能力について説明してくれた。めちゃくちゃ危ないやつではないか。
だって、作りすぎたら死んでしまうと言うことでしょう?
閑話休題。
「それはいいんだけど、僕これからどこにいけばいいのかな?」
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Mashiro Lio(プロフ) - 終わりました! (2019年8月25日 13時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 更新……というか軽く修正します (2019年8月25日 12時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
MILK(プロフ) - あ、お話いっぱいです!移行お願いします! (2019年8月7日 17時) (レス) id: 4af98e85a9 (このIDを非表示/違反報告)
MILK(プロフ) - 更新します! (2019年8月7日 17時) (レス) id: 4af98e85a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見里あさひ(プロフ) - こうしんしました。 (2019年8月7日 16時) (レス) id: 63500bc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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