033 ページ33
.
弧を描くように飛んでいったハチマキは見事に緑谷くんたちの騎馬の手に届く
「ナイスキャッチ緑谷くん 頑張ってね」
「え！皇さん！？」
まさか取れると思っていなかったのだろう
自身の手にある1000万ポイントのハチマキを見て目を点にしている
彼がそのハチマキを手にしたことで私たちを追いかけてきた騎馬の標的が変わった
私たちの手元に残っているハチマキを狙うより緑谷くんが持っている1000万ポイントハチマキを狙った方が勝算が高いからだ
緑谷くんの騎馬は焦って他の騎馬から距離を取ろうと下がっていく
それを追うように他の騎馬も私たちから離れていった
「作戦成功だな」
「心操くんのおかげだね」
前下にいる心操くんが手を上げてきたから私も手を伸ばしてハイタッチをした
心操くんは普通科なのにフットワークが軽い
ヒーロー科ほどではないけど彼らから逃れるくらいなら十分な速さだった
何より個性が強すぎる
使い方次第では一位になるのだって夢じゃない
初見殺しと初見殺しがダブルでいる以上私たちの勝算はかなり高いと言えるだろう
「この後はどうすんの？」
「競技終了の1分前に他の騎馬のハチマキをこっそり奪っちゃおう」
「なるほどね そりゃあ強いわ」
ステージの場外ギリギリで他の騎馬たちのポイント状況を把握する
爆豪くんの騎馬か轟くんの騎馬が狙い所だ
でもそこから奪うのは全体的にバランスのとれたチームだから難しいだろう
ウーンと首をひねっていると爆豪くんが空を飛んでいるのが見えた
「ねぇ 空飛ぶのアリなの？」
「地に足ついてないからセーフらしいよ」
「私もやろうかな」
「え？皇 空飛べんの？」
心操くんが驚いたように私を見る
言葉をそのまま受け取り過ぎた
「流石に空は飛べないよ
でも人の頭の上を飛んで渡れば…ね？」
「お前 本当にヒーロー科かよ」
ニヤリと笑って心操くんを見れば彼は呆れたような顔で私を見た
小さく溜息を付いたあと私に言う
「残り時間はあと4分だ
その間に皇は取れるだけポイントを取ってろ
…人の頭の上を飛んでな
もしお前が万が一 落ちそうになったら俺が何とかしてやる」
きっと心操くんは騎馬で動くより私単体で動いた方が効率がいいと踏んだのだろう
彼の判断は間違えていない
「それじゃあサポートよろしくね」
「ああ」
私の足を支えていた3人の手をぎゅっと踏みしめて私は前に飛び出した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 421人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙さん！今回もありがとうございます！白昼夢メインで更新を続けてまいりますが新作も着々と進めております！何卒よろしくお願いいたします！ (2020年4月14日 19時) (
レス) id: f0730c5fd6 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - いつもはコメントなどしないのですがばぐさんの作品は素晴らしい作品ばかりでいつもコメントさせて頂いております！拝啓シリーズお疲れ様でした！白昼夢も更新頑張ってください！また、新作が出た際には必ず見に行きます！ほんとに大好きです！ (2020年4月12日 19時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - ぴのさん» ご指摘ありがとうございます。変更させていただきました。ご不快な思いをさせてしまっていたら大変申し訳ありません。 (2020年3月12日 15時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - なむなむさん» ありがとうございます！設定画面で｢画像の挿入｣をタップしてアップロードを開くと画像を編入できると思います！ (2020年3月12日 15時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - きいろさん» ありがとうございます！そんなふうに思っていただけて幸いです！ (2020年3月12日 15時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年3月8日 21時
