26話 ページ27
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「…ヒーローやめたい」
ポツリと呟いたつもりだったけど存外私の声は響いてしまって事務所の皆が私を見る
やってしまったと思いつつも私の気持ちは変わらなかった
きっかけは昨日の夜
ミルコさんが引退すると告げたからだ
ミルコさんは同職の男性と結婚する
つまり寿退職というわけだ
自由奔放な彼女は事務所を私に投げ渡して引退しようとしている
そのことはもちろんサイドキックや事務員たちも知っている
だから私の発言に困惑しているんだ
事務所を引き継ぐ私がヒーローを辞めたらこの事務所も閉じなければならない
すなわち職場がなくなることを恐れている
決して私を心配している訳ではないのだ
気を使ってるのか誰も私に話しかけない
咲乃でさえも困った顔をしているだけ
「何してんだろ私」
私がここに就職した理由
それはミルコさんがいるからだ
私にとって師範であり姉のような存在でもあったミルコさんと仕事がしたくてここに入った
けれど実際 彼女と一緒に任務に挑んだことはなかった
強いていえば高校生の時のインターンくらい
やっぱりヒーローは不自由だ
自由を与えるために自分の自由を提供する
命さえも差し出さなければならない
このまま顔も知らない誰かの為に生きて誰かの為に死ぬのかな
そう考えると私の人生はくだらないものに見えてきた
＿＿＿＿ 疲れた
今の気持ちを一言で表すならまさにそれ
ずーっと走り続けきた
両親が死んだあの日からずっとだ
いつか終わりがあると思っていた
ヒーローになってなりたい自分になれたらきっと皆と一緒に歩けるようになる
そう思っていたけど実際は違った
ヒーローになっても私はずっと走っている
ヒーローになったからってなりたい自分になれるわけじゃなかった
「早く迎えに来てよ」
もう止まりたかった
走るのをやめたい 歩きたくもない
とにかく止まりたいんだ
それでも私の足は止まることを知らない
私は走り続けることで自分を保って生きてきたから簡単に止まれない
きっと分かってるんだ
止まってしまったら今まで気付かずに通り過ぎれていた恐怖や絶望が襲ってくるということを
だから本能的に私は走り続けている
「Aちゃん 今日は休みましょう
こんな調子で任務に行っても怪我するだけ
だから今日はもう休みましょう」
窓のふちに腰をかける私の肩に手を当てて咲乃が私に言う
彼女の言うことに素直に従った
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犬井(プロフ) - 臨時教師…この展開私の好物です((やめろ これからも、まったりでいいのでマイペースに更新頑張ってください(´･ー･`)ﾌﾌﾝ (2020年3月5日 12時) (
レス) id: a30ea6f0a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです これからも、頑張って続けて下さい 応援しています(#^.^#) (2020年3月3日 16時) (レス) id: 1fbc4252fc (このIDを非表示/違反報告)
(´???｀) ぬん(プロフ) - 心の底から言います.......爆豪とくっついて.....あっこの作品大好きです (2020年3月1日 23時) (レス) id: 3a7d3d0190 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 永久さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - Leoさん» 前作から引き続きご愛読していただきありがとうございます！彼女の思いが伝わったようで嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月26日 19時
