25話 ページ26
爆豪side
好きな人に好きな人がいた
しかも相手はNo.2の男
勝ち目がないことくらいすぐに分かった
「私の事 もう好きになっちゃダメだよ」
なんだよそれ
俺には好きでいる資格もないのかよ
久しぶりに会ったアイツは変わっていた
白百合の香りは消えていて知らない男の香水の香りがした
淡い色の服を好んでいた癖にモノトーンで大人っぽい服装をしていた
耳元を飾るピアスだって昔はメタル素材で可愛げのない物だったのに今は小さめで男ウケの良さげな物になっていた
全部 あの男の好みなんだろう
現実主義者でありながらも夢を見続けてしまうアイツは無意識的に努力している
誰よりも愛に対する執着が強いアイツは冷めるのも早い
そんなことくらい高校時代から分かっていたことだ
「…待ってるって言ってたじゃねぇかよ」
それでもアイツはずっと待ってくれていると思っていた
文句を言いながら最後は笑ってくれると思っていたんだ
『＿＿ 彼の香りを纏った夜会の天使
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 新商品発売決定 』
広告塔のモニターは今日もアイツを映し出す
恋人と勘違いしてしまいそうなほど近くにあの男が映っているのが癪に障る
｢彼の香り｣ってあの男のことかよ
「え！？見て見て！！！！」
「ホークスとヘスティア！？」
「XXXの香水じゃん！！」
「ティアちゃん エモすぎない！？」
モニターに映るアイツはもう俺に手を伸ばしていない
あの笑顔だって全部偽物だ
アイツはある時から自分の笑顔を探すのをやめた
やめたってより諦めたに等しい
それは高３の体育祭からだ
アイツは高校生活最後の体育祭で表彰台に登れなかった
準々決勝でB組の拳女に負けたアイツはベスト8で姿を消した
予想外の展開に誰もが驚いた
勝った奴も信じられないという顔をしていたくらいだ
｢その程度か｣｢期待外れ｣｢大したことない｣
そんなブーイングが会場を埋めつくした
その時アイツは今まで見たことがないほど無表情だった
ただ自分の手を見つめて立ち尽くしていた
あの時の様子を俺は忘れられない
泣くことも悔しがる素振りも見せずアイツはひとりでグラウンドを去った
俺は自分の無力さを呪った
なんて声をかけたらいいか分からず傍にいてやることもできなかった
そんな俺にアイツは愛想を尽かしたのかもしれない
こんな俺よりもあの男のほうがアイツを守れる事実はどうやっても変えられない
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犬井(プロフ) - 臨時教師…この展開私の好物です((やめろ これからも、まったりでいいのでマイペースに更新頑張ってください(´･ー･`)ﾌﾌﾝ (2020年3月5日 12時) (
レス) id: a30ea6f0a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです これからも、頑張って続けて下さい 応援しています(#^.^#) (2020年3月3日 16時) (レス) id: 1fbc4252fc (このIDを非表示/違反報告)
(´???｀) ぬん(プロフ) - 心の底から言います.......爆豪とくっついて.....あっこの作品大好きです (2020年3月1日 23時) (レス) id: 3a7d3d0190 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 永久さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - Leoさん» 前作から引き続きご愛読していただきありがとうございます！彼女の思いが伝わったようで嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月26日 19時
