23話 ページ24
.
自他ともに認める私の長所
其ノ壱…現実主義で切り替えが早い
そんな感じで生きてきた私は良くも悪くも諦めが早い
多分 死ぬ時もあっさり死を認めると思う
そういう運命だったんだと思うだけ
だから好きな人が手に入らないくらいで落ち込んで泣くような柄じゃない
それにそこまで傷付いていない
そんなことで傷付いているほどの時間が私には与えられていないからだ
目の前にあるカシオレを無心で飲んでいれば空っぽになってしまった
「瀬呂くんビール飲みたい」
「飲めないんじゃねぇの？」
「飲みたい気分」
「あーね」
何となく察してくれた瀬呂くんはそれ以上聞かないでいてくれた
瀬呂くんのそういうところ好きだ
渡されたビールを一気に流し込む
「これのどこが美味しいの」
「お子様舌には一生分かんねぇよ」
「そっか」
好きじゃない味に体は拒否しているけど残すのはあれなので無理して全部飲みきった
一気にビールを飲んだ私に皆びっくりしている
正直 自分でもカッコつけすぎた自覚はある
アルコールが回っているようで少し暑い
「ほら月躬弖 水飲め」
「ありがとう」
「頑張りすぎんなよ〜」
「そんなに頑張ってないよ」
「はいはい そうだな」
小さな子をあやすように私の頭を撫でる瀬呂くんはすごく優しい目をしていた
こりゃあ瀬呂くん酔ってるな
普通に見せかけて実は酔ってるタイプだ
ぐるりと見渡せば皆いい感じにアルコールが回ってきているようで顔が赤くなっていたり寝てしまっていたりウザ絡みしていたりとカオス状態
生憎私はザルなのでそりゃあ暑くはなるけど酔いはしない
意識を保てているのは私と緑谷くんと轟くん
あと 怒った顔の爆豪くんだけ
なんで爆豪くんが怒っているか分かっている
生憎私は自分に向けられる視線に気付かないほどヒロイン体質の鈍感ではないのだ
彼が私のことが好きなことくらい卒業する前から分かっていた
「そんなに私のこと好きなの」
「んなわけねぇだろ ふざけんな」
「ふーん」
瀬呂くんに渡された水を飲みながら怒っている爆豪くんを見つめる
…そんな顔で否定したって意味ないのにね
轟くんと緑谷くんが気まずそうな顔をする
「と、ところで！月躬弖さん今日は何か用事があったの？任務とか？」
緑谷くんが話題を変えるために頑張って話を切り替えようとしてくれるけど
「ホークスと撮影があったの」
結局ふりだしに戻ってしまった
…ごめん緑谷くん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 438人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
犬井(プロフ) - 臨時教師…この展開私の好物です((やめろ これからも、まったりでいいのでマイペースに更新頑張ってください(´･ー･`)ﾌﾌﾝ (2020年3月5日 12時) (
レス) id: a30ea6f0a7 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです これからも、頑張って続けて下さい 応援しています(#^.^#) (2020年3月3日 16時) (レス) id: 1fbc4252fc (このIDを非表示/違反報告)
(´???｀) ぬん(プロフ) - 心の底から言います.......爆豪とくっついて.....あっこの作品大好きです (2020年3月1日 23時) (レス) id: 3a7d3d0190 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 永久さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - Leoさん» 前作から引き続きご愛読していただきありがとうございます！彼女の思いが伝わったようで嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月1日 13時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月26日 19時
