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真澄がいなくなってから時は流れました
落ち込んでいた私も今では吹っ切れることができました
寂しいことは寂しいけれどいつまでも未練タラタラでいるわけにはいきません
仮にも私は鬼だからです
真澄と二人で過ごしていた部屋は今ではだだっ広くて無駄にしか思えなくなりました
けれど暇になれば童磨が遊びに来てくれるのでそんな暗い考えも吹き飛んでしまいます
そんな毎日を過ごしていたある日
猗窩座殿が炎柱を殺した、という報告が入りました
________ 炎柱
炎の呼吸を使う彼はとても印象的で一度しか会っていませんがはっきりと覚えています
あの綺麗な技を見ることが出来なくなってしまうのは残念ですが 私達も生きていくためにこうするしかなかったのです
勝った者が正義なのです
ふと空を見上げればいつもと変わらない青空が広がっています
いつもと違うことがあるとすれば
隣に真澄がいないこと それだけです
空に手を伸ばしてみれば遠く誰かがこちらに手を伸ばしているような不思議な感覚に陥りました
そう感じたのも一瞬のことで 私の手はいつも通り空を切るだけでした
「A 準備は整ったか?」
「はい 無惨様」
音ひとつ出さずに無惨様が現れました
こんなことは慣れっこです
…せめて一言ほしいものですがね
「ならば向かうぞ」
「…御意」
向かった先 そこはいつも無惨様によって集められた上弦の鬼たちが集まる部屋でした
無惨様の横に立つ私に驚く者など一人もいません
それもそのはず彼らは既にいろいろな方法で私のことを知っているでしょうから
________ 私は今日
「朱雀院Aを正式に私の後継者とする」
______ 無惨様の後継者になりました
「「「 天地の祝福があらんことを 」」」
上弦の鬼たちが無惨様に
そして私にむかって頭を下げました
私は何も言わず無惨様の横に跪き
無惨様の右手に軽く口付けをしました
無惨様は満足そうに私の頭を撫でてくださりました
「私の命令が絶対であるように
Aの命令も絶対であるよう
心得ておくように」
「「「「 御意 」」」」
緊迫した空気を切り裂くように 無残様は部屋を出ていかれました
私も後を追って無限に続く廊下を歩いていきました
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (2月3日 22時) (レス) @page44 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - どうして完結なんや…() (11月20日 5時) (レス) @page44 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
こいちご。 - ちょっとあまりにも私と解釈一致すぎて泣いてます (2022年12月14日 0時) (レス) @page9 id: 72d95f658b (このIDを非表示/違反報告)
⭐️穂乃果⭐️ - 面白すぎて大草原www (2022年3月6日 10時) (レス) @page15 id: 1b52ef822c (このIDを非表示/違反報告)
ふじか(プロフ) - 続きがとても気になります…! (2021年9月29日 20時) (レス) @page44 id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2019年12月19日 17時