青の彼岸花【鬼滅の刃】

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童磨side









真澄ちゃんが鬼殺隊に戻った






そう聞いたときはさすがに驚いた





真澄ちゃんはAちゃんに依存気味なところがあったし俺たちにも順応していたからこんなことになるなんて思ってもみなかった






Aちゃんは平気そうな顔をしているけど本当は辛いんだと思う





稀血の女を手に入れたから一緒に食べようと誘ったのに｢気分じゃない｣と断られてしまった





そんなんじゃ強くなれないよ、と俺が言えば悔しそうな顔をして右腕だけ食べていた





Aちゃんのご両親も真澄ちゃんが鬼殺隊に戻ったと聞いた時はすごく悲しそうな顔をしていた




いつかは鬼にしてもらって娘のように可愛がるんだとばかり思っていたから尚更 悲しかったのだろう






無惨様も傷心気味のAちゃんにどう接したらいいのか分からず困っている




だからって俺たちにも八つ当たりするのはやめてもらいたいけど…





猗窩座殿は｢恩知らずめ｣なんて言ってるけど本当は残念に思っているのだと思う




なんだかんだ言って俺も真澄ちゃんのことを気に入っていたから会えなくなるのは寂しい気がする






鬼には感情がない



よくそう言われるけど一様ある



それを感情と呼べるかどうかは置いといて いつでも無の状態でいる訳では無い






特にAちゃんは感情の起伏が激しい



起伏が激しいというか鬼の中で一番人間に近い状態だからちゃんとした感情を持っている



人を殺すことに抵抗はないらしいけど…








そんな彼女のお気に入りが自分のもとを離れて的である鬼殺隊に戻ったと考えると



Aちゃんは相当辛いのだろう






「童磨 遊びに行こう」






急に俺の部屋を訪ねたかと思ったら街へ行こうと誘われた



夜だから信者が来ることはない



お誘いを受けて一緒に出掛けた






「Aちゃん 早く元気になってよ」



「私は元気だよ」



「嘘だ〜！」



「…」






せっかく久しぶりに二人で出掛けたっていうのにAちゃんはキョロキョロしている




癖でつい真澄ちゃんを探してしまっているのだろう




Aちゃんは可哀想で見るに堪えない






「君は＿＿＿＿なんだから一人の人間ごときに感情を揺さぶられてはいけないんだよ」




「… 分かってる」







少しきつく言ってしまったかもしれない



けれど誰かが言わなきゃならなかった








Aちゃんは苦虫を噛み潰したように顔を歪ませて涙を堪えていた

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