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ページ27








「…私は鬼殺隊に戻りたいです」





情けなく震えてしまった声で答える



恐怖でA様の顔を見れない





怒っているだろうか?



呆れているだろうか?



失望しただろうか?




こんなに良くしてもらったのに帰りたいと我儘を言ったくせにA様には嫌われたくないと都合のいいことを考えてしまう




「こっちむいて 真澄」





予想を反していつも以上に優しい声色のA様に言われたとおり 恐る恐る顔を上げると



A様はとても寂しそうな顔をして私を抱きしめた



暖かいけれど冷たいA様の腕の中はとても居心地がいい




思わず背中に手を回してしまいたくなる衝動を押さえつける





「真澄が選んだことなら私は否定しない


すぐに鬼殺隊に戻してあげる



けどね約束があるの」





私の目をしっかりと見てA様は言う




「今から貴方に呪いをかける」



「え…」



「心配しないで 真澄がちゃんと約束を守れば呪いで死ぬことはない」



「…はい」




゛呪い ゛


その言葉に私は思わず喉を鳴らしてしまう





A様は私の前に指を立てて告げる





「記憶を喪失したフリをしなさい


ここでの暮らしは覚えていないと何があっても言い張りなさい


それと私たち鬼のことは何も言わない


もし口を滑らせたら私が貴方を殺しに行く


私が甘くないのは知っているでしょう


呪いで貴方をいつでも監視している


約束を破った時は… 分かるね?」





さっきと打って変わってA様は酷く冷たい表情をしていた


契約を結ばせる悪魔のような…




「次会うときは私と貴方は他人


お互い殺しあわなきゃならない


容赦しない 貴方も躊躇ってはいけない」





ゴクンと唾を飲み込む



A様と殺しあわなきゃならない



その青白く細い頸に刀を当てなければならないと思うと手が震える



呼吸も浅く早くなってくる



涙が込み上げてきて視界も悪くなる




最後なのに



A様の顔を見ることが出来ない








震える私をA様はいつものように優しく頭を撫でてくれる





「大丈夫 真澄は強い子だから


ちゃんと頑張れるよ


もしどちらかが死んでしまっても」









____ 来世では必ず姉妹になれるよ






涙が頬を伝ったのは私だけじゃない



A様も硝子のように綺麗な瞳から一筋の涙を流していた








____ ベベン




その時 琵琶の音がして気がついたら私は蝶屋敷の前に立っていた

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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (2月3日 22時) (レス) @page44 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - どうして完結なんや…() (11月20日 5時) (レス) @page44 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
こいちご。 - ちょっとあまりにも私と解釈一致すぎて泣いてます (2022年12月14日 0時) (レス) @page9 id: 72d95f658b (このIDを非表示/違反報告)
⭐️穂乃果⭐️ - 面白すぎて大草原www (2022年3月6日 10時) (レス) @page15 id: 1b52ef822c (このIDを非表示/違反報告)
ふじか(プロフ) - 続きがとても気になります…! (2021年9月29日 20時) (レス) @page44 id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐ | 作成日時:2019年12月19日 17時

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