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しのぶside
柱3人が同時に攻撃を仕掛けたというのにAさんはするりと間を通り抜け屋根に上がってしまいました
こんな実力があるというのに十二鬼月ではないとはどういうことなのでしょうか
『毒入りのお茶を飲まされるし殺されかけるし人間は最悪ね 少しでも期待した私が馬鹿だった』
初めのふわふわとした穏やかな様子は一変してひどく冷たく凍ってしまいそうな空気を漂わせています
急に投げ出された弓矢隊の者たちもパニック状態に陥ってしまいました
その様子をみてAさんは美しくふっと笑ったかと思うと一人の隊士の前に立ちました
「うわぁぁぁぁ!!!!」
「鬼だ!!!鬼が来た!!!!」
「なんでここにいるんだよ!!」
普段 前衛側の攻撃をすることがない弓矢隊からするとこの至近距離に鬼がいると混乱してしまうのでしょう
『ねぇ君 名前は?』
Aさんは一人の女隊士の頬を手を当て目を見て聞きました
「真澄…藤澤 真澄です…」
『いい名前ね』
戦闘中だというのにAさんは穏やかに笑い彼女の頭を優しく撫でました
そうかと思うともう一度屋根の上に上がり空に腕を伸ばしました
瞬間 その場の空気に歪みが生じ何か黒い口のようなものが浮かび上がりました
「いけない!逃げられてしまう!」
お館様の声にハッとした柱たちが攻撃を仕掛けますが全てAさんの血鬼術で防がれるどころか間合いにすら近づけません
『… おいで真澄』
私たちが攻撃を仕掛けているというのに何故か先程の彼女の名前を呼ぶAさん
おいで、と言われたって普通 鬼のそばに…ましてや重警戒の鬼の近くに行く人間などいません
「おい!!!」
「何してるんだ!!!」
「誰か押さえろ!!!」
彼女は乗っ取られたかのようにAさんのもとへ歩いて行きます
周りの止めようとしても払いのけて親のもとへ行く子供のように迷うことなく向かっていきます
そしてついにAさんのいる屋根にまで上がりAさんの隣に行ってしまいました
「真澄戻っておいで」
お館様の声も虚しく彼女には届きません
ただAさんの羽織の裾をきゅっと掴むだけです
「A… 何をするつもりだい?」
『…』
Aさんは彼女の頭を撫でるだけで何も答えません
『…鳴女さん お願い』
________ べべん
琵琶の音と共に消え去りました
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (2月3日 22時) (レス) @page44 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - どうして完結なんや…() (11月20日 5時) (レス) @page44 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
こいちご。 - ちょっとあまりにも私と解釈一致すぎて泣いてます (2022年12月14日 0時) (レス) @page9 id: 72d95f658b (このIDを非表示/違反報告)
⭐️穂乃果⭐️ - 面白すぎて大草原www (2022年3月6日 10時) (レス) @page15 id: 1b52ef822c (このIDを非表示/違反報告)
ふじか(プロフ) - 続きがとても気になります…! (2021年9月29日 20時) (レス) @page44 id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2019年12月19日 17時