133話 ページ34
.
それは突然起こった
といっても睡眠時間がゼロに等しい私がこうなるのは時間の問題だったと思う
私はヒーロー基礎学中に睡眠不足により視界が霞んで見事に爆豪くんの攻撃をくらった
そして受け身も取らず見事に高所から落下しリカバリーガールの元へ緊急搬送
これが一連の流れだ
「目が覚めたようだけどまだ横になってな
そのうち迎えが来るから」
ボーと保健室の天井を見つめていればリカバリーガールが私に気付いて声をかけてくれた
｢やらかしたな｣と額に手の甲を当てて窓から外を眺める
その手も傷だらけでネイルもはがれかけてボロボロだ
睡眠がしっかりとれていないから注意力が散漫になっている自覚はある
好きでもないブラックコーヒーを飲んで眠気を飛ばしているがやっぱり眠気には勝てないものだ
.
保健室のドアが開く音がしたから扉の方向を見ると私の鞄を持った相澤先生がいた
どうやら｢迎え｣というのは相澤先生らしい
先生が来たのに横になっているわけにもいかなくて無理やり体を起こした
「最近 寝てないようだな」
「なんでそれを…」
「緑谷が教えてくれた」
あえて理由を聞いてこないのは先生なりの気遣いだろう
聞かれても恥ずかしくて答えられないから助かった
｢寮まで車で送る｣と言われたので言葉に甘えて送ってもらうことにした
リカバリーガールにお礼を行って保健室を出ると外は雨が降っていた
雨空は今の私みたいだなと思った
.
寮に戻れば私の帰ってきたことに気付いた皆が駆け寄ってきてくれた
本当に心配してくれていたようだった
そこには爆豪くんの姿はなくて理由を聞けば部屋にこもっているとのこと
もし私を怪我させたことで落ち込んでいるのだったら悪いことをした
「私 部屋に戻るね」
「うん！ゆっくり休んでね！」
疲れているのは事実だけど今の私は皆にちゃんと笑顔を向けることが出来ないと判断して部屋に戻った
部屋に入れば嫌でも目に入る両親の写真
今日も2人は綺麗な笑顔を私に向けている
今はそれが酷く嫌に見えた 初めてだった
両親は私にとって太陽のような存在だったはずなのに今は私の首を締めつけるように思える
｢昔の自分｣を克服できたというのに私はまた過去に囚われて今を見れていない
ずっと逃げているだけだと分かっているけど変わる方法を見つけられない
自分で乗り越えない限り現実は変わらないということも嫌というほど分かっている
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい！ (2020年2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2020年2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました！本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月16日 21時
